気管支喘息におけるAMD療法

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 AMD(Adjustable Maintenance Dosing:用量調節投与)療法という名前をご存知でしょうか。シムビコート®が発売されたときに広く知られるようになった吸入法ですが、最近は論文で取り上げられることも少なくなり、下火です。

 通常ICSやICS/LABAは1日あたり決まった量を定期的に吸入していくという方法が主流ですが、このAMD療法は長期管理薬の用法用量を患者さんの状態に合わせて調節する治療法です。たとえば、春先に必ず喘息症状が悪化する患者さんでは、冬の終わりから吸入薬の量を増やして、夏場には減らすという方法もあります。また、発作が多くなりそうな時(旅行先、風邪っぽい)に少し量を増やす、などなど。

 このAMD療法とはシムビコート®で使われる手法です。具体的にはシムビコート®を1回2吸入1日2回で使用していた場合、喘息状態が良好であれば1回1吸入1日2回にしたり、喘息状態が不良であれは1回4吸入1日2回にしたり・・・ということです。

 シムビコート®に限らず、ICSを間欠的に投与する方法は何度も検討されてきましたが、FD療法とAMD療法のいずれが優れているかという答えは出ていません1)。固定用法投与(FD)療法のアドエア®と比較した試験では、シムビコート®AMD療法よりもアドエア®FD療法の方が有意に良好な結果だったという報告もあります2)

 個人的にはAMD療法と称して患者さんにコントロールを丸投げしてしまうと、アドヒアランスの不良を招くだけでなく、受診頻度も減ってしまうのではないかと懸念しています。現時点では“FD派”です。


(参考文献)
1) Chauhan BF, et al. Intermittent versus daily inhaled corticosteroids for persistent asthma in children and adults. Cochrane Database Syst Rev. 2013 Feb 28;2:CD009611.
2) Price DB, et al. Salmeterol/fluticasone stable-dose treatment compared with formoterol/budesonide adjustable maintenance dosing: impact on health-related quality of life. Respir Res. 2007 Jul 4;8:46.


by otowelt | 2016-01-25 00:44 | レクチャー

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