結核性髄膜炎に対する強化治療(リファンピシン増量・レボフロキサシン併用)は生存率を改善させない

e0156318_1302985.jpg 結核性髄膜炎のアウトカムを強化治療で改善させることができるかどうか検証したものです。

A. Dorothee Heemskerk, et al.
Intensified Antituberculosis Therapy in Adults with Tuberculous Meningitis
N Engl J Med 2016; 374:124-134


背景:
 結核性髄膜炎はしばしば致死的となりうる。早期の抗結核療法とグルココルチコイドを用いた補助療法によって結核患者の生存が延長するが、それでもなお3分の1程度は死亡するとされている。われわれは、強化治療により中枢神経系の結核菌に対する殺菌力が高め死亡率が低下するという仮説を立てた。

方法:
 ベトナムにおける2病院のいずれかに入院し、結核性髄膜炎と臨床的に診断されたHIV感染患者よおびHIV非感染患者を対象にランダム化二重盲検プラセボ対照試験をおこなった。
 標準治療である9ヶ月のレジメン(リファンピシン10mg/kg/dayを含む)と、治療初期8週間に高用量リファンピシン(15mg/kg/day)・レボフロキサシン(20mg/kg/day)を併用する強化レジメンとを比較した。プライマリアウトカムはランダム化から9ヶ月までの死亡とした。

結果:
 817人(HIV感染者349人)が登録された。409人を標準治療群に、408人を強化治療群にランダムに割り付けた。フォローアップ中に、強化治療群113人、標準治療群114人が死亡した(ハザード比0.94、95%信頼区間0.73~1.22、P=0.66)。強化治療によって有意差をもたらす効果は観察されなかったが、イソニアジド耐性結核菌に感染した患者は例外となる可能性はあった。
 治療中断にいたった有害事象にも群間差はなかった(標準治療群64件、強化治療群95件、P=0.08)。

結論:
 結核性髄膜炎患者に強化抗結核治療を導入しても、標準治療と比較して生存率が高くなることはない。


by otowelt | 2016-01-18 00:34 | 抗酸菌感染症

<< クリゾチニブ耐性ALK陽性非小... COPD急性増悪では便秘に注意? >>