血球貪食症候群の肺病変は半数にみられ、予後不良である

e0156318_1110576.jpg 血球貪食症候群の肺病変に関する報告です。

Amélie Seguin, et al.
Pulmonary Involvement in Patients with Haemophagocytic Lymphohistiocytosis
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2015.11.004


背景:
 血球貪食症候群(HLH)は免疫不全を合併する致死的疾患である。HLHの肺病変についてはほとんど調査されていない。われわれは、HLHの肺病変について記載し、その予後をアセスメントした。

方法:
 14年間で後ろ向きに219人のHLH患者を同定した(肺病変があったのは118人[54%])。HLHの診断はHLH-2004診断基準に基づいた。

結果:
 呼吸困難感・咳嗽が最もよくみられる発症症状であった。胸部画像上、小葉中心性粒状影・境界明瞭なコンソリデーション・局所的スリガラス影を伴う間質性陰影がみられた。胸水や縦隔リンパ節腫大は半数の患者でみられた。1つ以上の肺病変出現の原因があったのは118人中91人(77.1%)であり、呼吸器感染症52人、肺水腫34人、悪性疾患22人(ほとんどが悪性リンパ腫)が含まれた。
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(文献より引用:)

肺病変の原因に対する治療とHLH特異的治療の組み合わせによって、呼吸機能が改善したのは118人中67人(56.7%)だった。院内死亡率は、肺病変のある患者では高かった(52.5% vs. 20%)。肺病変の原因として感染症がある場合、死亡する頻度が高かった(56% vs. 30%, p=0.004)。

結論:
 HLHの患者に肺病変は多くみられ、予後不良である。肺病変を有するHLH患者に対して、特異的な診断・治療戦略が妥当なものかどうか検証する研究が望まれる。


by otowelt | 2016-02-04 00:56 | 集中治療

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