胸水を有する肺炎は予後不良である

e0156318_14285339.jpg 肺炎随伴性胸水のある肺炎患者さんは、確かに入院期間が長くなります。胸水が減らないと退院させにくいという事情もあるとは思いますが。

Nathan C. Dean, et al.
Pleural effusions at first emergency department encounter predict worse clinical outcomes in pneumonia patients
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2015.12.027


背景:
 胸水は入院肺炎患者の15~44%に胸水がみられるとされている。救急部初診時に胸水を呈していた場合のアウトカムに対する影響があるのかどうか、あるいは別途マネジメントを考慮すべきなのかどうかは分かっていない。

方法:
 われわれはICD-9のコードで肺炎、膿胸、敗血症、肺炎に続発した呼吸不全で登録された7病院の救急部の患者を登録した。画像データがない患者は除外した。胸水は胸部画像によって同定した。

結果:
 24ヶ月の間で、458837人のうち4771人が適格基準を満たした。胸水のあった690人(14.5%)の年齢中央値は68歳で、46%が男性だった。Elixhauserスコアの高い患者(オッズ比1.13、95%信頼区間1.09-1.18, p<0.001)、高BNP(オッズ比1.20, 95%新リア区間1.12-1.28, p<0.001), 高ビリルビン(オッズ比1.07, 95%信頼区間1.00-1.15,p=0.04), 高齢(オッズ比1.15, 95%信頼区間1.09-1.21, p<0.001)の患者は、肺炎随伴性胸水を呈しやすかった。胸水のない患者では、CURB-65は正確に死亡率を予測した(予測値4.7% vs. 実際5.0%)。しかしながら、同スコアは胸水のある患者では死亡率を過小に評価していた(予測値7.0% vs. 実際14.0%, p<0.001)。胸水のある患者はより入院しやすく(77% vs. 57%, p<0.001), 入院期間が長かった(中央値2.8日 vs. 1.3日, p<0.001)。重症度によって補正を行うと、30日死亡率の尤度は胸水のある患者で高かった(オッズ比2.6, 95%信頼区間2.0-3.5, p<0.001)。また、入院期間は不釣り合いながらも長くなった(Coefficient 0.22, 95%信頼区間0.14 to 0.29, p<0.001)。

結論:
 救急受診時に胸水を呈した肺炎患者は、より死亡しやすく、より入院しやすく、そしてより入院期間が長かった。なぜ胸水を有する肺炎患者の転帰が不良であるのか、またこういった患者に異なるマネジメントを適用することでアウトカムを改善させることができるのかどうかは早急な検討課題である。


by otowelt | 2016-02-18 00:03 | 感染症全般

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