同種骨髄移植後PPFEによって起こった空気漏出症候群の臨床的特徴

e0156318_051136.jpg 当院は血液内科を有さない病院なので、PPFEといえば特発性をまっさきに思い浮かべます。
 骨髄移植とPPFEの関連については呼吸器内科医も知っておいた方がよさそうです(Mod Pathol. 2011 Dec;24(12):1633-9.、Intern Med. 2014;53(1):43-6.、Histopathology. 2015 Mar;66(4):536-44. )。この報告ではGVHDとは直接的に関連していない感じですね。

Tomoya Ishii, et al.
Air-leak Syndrome by Pleuroparenchymal Fibroelastosis after Bone Marrow Transplantation
Intern Med. 2016;55(2):105-11


目的:
 空気漏出症候群(Air-leak syndrome ;ALS)は同種骨髄移植に続発する致死的な肺合併症であり。GVHDに関連していると考えられている。近年、同種骨髄移植後のPPFEがしばしばALSを起こすのではないかという報告がある。われわれは、同種骨髄移植後PPFEによって起こるALSの特徴を調べた。

方法:
 1996年4月から2007年12月までの間、同種骨髄移植後PPFEによってALSにいたった事例を集めた(単施設、後ろ向き)。臨床所見、画像所見、病理学的特徴を調べた。

結果:
 病理学的にPPFEと証明されたALS患者は5人だった(4人が男性、年齢中央値37歳)。ALS-PPFEの発症は骨髄移植後13~109ヶ月(中央値68.8ヶ月)であった。全例、アルキル化剤が用いられた。1人の患者のみが慢性GVHDに陥った(限局型)。最もよくみられた画像所見は、両側上葉優位の胸膜下肥厚、牽引性気管支拡張所見である。病理学的には、BOやGVHDの所見は観察されなかった。免疫抑制治療は有効でなく、肺移植の有無を問わず全例が呼吸不全によって死亡した。

結論:
 ALS-PPFEは晩期発症の同種骨髄移植の非感染性の肺合併症である。進行性で免疫抑制治療に反応せず、予後不良である。PPFEとGVHDには関連性はなかった。


by otowelt | 2016-02-23 00:40 | 呼吸器その他

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