COPDと脳卒中リスク

e0156318_13211658.jpg ここ最近、ロッテルダム研究の報告が相次ぎますね。

Portegies ML, et al.
Chronic Obstructive Pulmonary Disease and the Risk of Stroke. The Rotterdam Study.
Am J Respir Crit Care Med. 2016 Feb 1;193(3):251-8. doi: 10.1164/rccm.201505-0962OC.


背景:
世界的にCOPDや脳卒中は主要な死因とされている。これまでのエビデンスの蓄積により、両疾患の関連性が示唆されており、COPDでは動脈硬化のリスクが増えているといった知見や、脳卒中とCOPDの共通リスク因子によるものだとする知見がある。

目的:
 COPDと脳卒中サブタイプの関連を一般人口集団で調べ、この関連が心血管リスク因子と増悪に与える影響を調べた。

方法:
 ロッテルダム研究において、脳卒中の既往のない13115人をフォローアップした。フォローアップは1990年から2008年に開始し、2012年に終了した。COPDと脳卒中との関連性は、時間依存性Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。

結果:
 1566人がCOPDと診断された。126347人年のうち、1250人が脳卒中を起こし、そのうち701人は虚血性で107人は出血性だった。年齢、性別で補正すると、COPDは全脳卒中(ハザード比1.20; 95%信頼区間1.00–1.43)、虚血性脳梗塞(ハザード比1.27; 95%信頼区間1.02–1.59)、出血性脳梗塞(ハザード比1.70; 95%信頼区間1.01–2.84)と有意に関連していた。心血管リスク因子で補正しても同様の効果であった。一方、喫煙で追加補正すると上記の効果は減弱した。すなわち、全脳卒中でハザード比1.09(95%信頼区間0.91–1.31)、虚血性脳梗塞でハザード比1.13 (95%信頼区間0.91–1.42)、出血性脳梗塞でハザード比1.53 (95%信頼区間0.91–2.59)。COPD急性増悪の後ではCOPD患者は脳卒中のリスクが6.66倍(95%信頼区間2.42-18.20)に上昇した。

結論:
 われわれのコホート研究では、虚血性および出血性の脳卒中のいずれもがCOPD患者で高いという結果であった。また、喫煙は両疾患に共通するリスク因子として重要であることが明らかとなった。


by otowelt | 2016-02-19 00:52 | 気管支喘息・COPD

<< ILDとCOPDの患者における... 胸水を有する肺炎は予後不良である >>