ILDとCOPDの患者における呼吸困難感と呼吸メカニクス

e0156318_13222581.jpg ILDとCOPDの呼吸メカニクスの差についての話題です。

Azmy Faisal, et al.
Common Mechanisms of Dyspnea in Chronic Interstitial and Obstructive Lung Disorders
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol. 193, No. 3 (2016), pp. 299-309. doi: 10.1164/rccm.201504-0841OC


背景:
 間質性肺疾患(ILD)と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の呼吸困難感のメカニズムの違いはよくわかっていない。

目的:
 吸気時の横隔膜への神経刺激と運動時の呼吸困難感の強度が、ILDおよびCOPDで違うのか調べた。2疾患は静的呼吸メカニズムに明確な違いがある。

方法:
 ILD、COPD、健常者のそれぞれ16人で、漸増自転車運動試験(incremental cycle exercise )時に横隔膜筋電図(EMGdi)と呼吸圧測定をおこないながら、感覚―メカニック(sensory–mechanical)の関係性を比較。

結果:
 軽症から中等症のILD、COPD患者では最大吸気量低下、最大酸素摂取量、仕事率、換気は健康人よりも低かった(P < 0.05)。EMGdi(最大からの比でEMGdi/EMGdi,max)、呼吸努力(食道圧を最大からの比で)、換気は安静時、運動時とも両疾患患者は健康人よりも高かった。これらの測定値について、ILDとCOPDには差はなかった。ILD患者では横隔膜活動性が大きかったが、COPD患者では呼気筋の活動性が強かった。呼吸困難感の強度と運動中EMGdi/EMGdi,maxは全群で差はなかった。ILD、COPDでは吸気時の呼吸困難感をより強く訴える傾向にあり、EMGdi/EMGdi, maxと1回換気量との解離が大きかった。

結論:
 疾患特異的なメカニクスや呼吸筋活動性の差は、呼吸困難感の強度と横隔膜神経へのドライブに影響を与えなかった。


by otowelt | 2016-02-22 00:17 | 呼吸器その他

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