間質性肺疾患の終末期に緩和ケアはあまり実施されていない?

e0156318_1462333.jpg びまん性肺疾患でも緩和ケアは非常に重要です。
 記事末にある森田達也先生の本は、個人的にかなりオススメです。

Zainab Ahmadi, et al.
End-of-life care in oxygen-dependent ILD compared with lung cancer: a national population-based study
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207439


背景:
 進行性の線維性間質性肺疾患(ILD)はしばしば進行性で強い症状と予後不良性と関連している。その症状の頻度や、終末期の緩和ケアサービスへの医療アクセスが十分かどうかという知見はほとんどない。

目的:
 酸素療法を要する終末期ILD患者と終末期肺癌患者の間で、症状の頻度と緩和ケア治療を受ける頻度に差があるかどうか調べること。

方法:
 国内登録コホート研究で、2011年1月1日から2013年10月14日までに死亡した酸素療法を要するILD患者および肺癌患者を集めた。症状の頻度や、死前期7日間の治療をスウェーデン緩和ケア登録データを用いて抽出・比較した。

結果:
 ILD患者285人および肺癌患者10822人が登録された。ILDの死亡は、肺癌と比較して“予期せぬ状態”で起こり(15% vs 4%)、緩和ケアを受けている状態の患者も肺癌より少なかった(17% vs 40%)。また、終末期の話し合いも肺癌よりも実施される頻度が少なかった(41% vs 59%)。
e0156318_1481251.jpg
(文献より引用)

 ILD患者は息切れに苦しむ頻度が多く(75% vs 42%)、一方肺癌患者は疼痛に苦しむ頻度が多かった(51% vs 73%) (いずれもp<0.005)。ILD患者の息切れ、疼痛、不安症状はほとんど軽快することはなかった。ILD患者の酸素療法開始から死亡までの期間は中央値で8.4ヶ月だった(IQR 3.4–19.2ヶ月)。

結論:
 ILD患者は肺癌患者よりも終末期ケアへのアクセスが不足しており、息切れも強いことがわかった。この研究により、酸素療法を要するILD患者の終末期ケアがよりよいものになるよう望まれる。



by otowelt | 2016-02-24 00:48 | びまん性肺疾患

<< HIV関連クリプトコッカス髄膜... 同種骨髄移植後PPFEによって... >>