夜勤明けの集中治療医の認知パフォーマンスは低下している

e0156318_9371346.jpg 最近、夜勤明けに手術をしても大丈夫だという報告がNEJMからありましたね。

・夜勤明けに手術をしても大丈夫

 ICUみたいなハードな夜勤では、認知パフォーマンスが低下するのではないかと結論づけた報告です。

Maltese F, et al.
Night shift decreases cognitive performance of ICU physicians.
Intensive Care Med. 2016 Mar;42(3):393-400.


背景:
 疲労と医療過誤リスクの関連性は広く認識されている。この研究の主な目的は、夜勤明けのICU医師の認知パフォーマンスを調べることである。夜勤中の職務内容や睡眠量が認知パフォーマンスに与える影響も調べられた。

方法:
 合計51人の集中治療医が3つのICUから登録された(24人が上級医、27人がレジデント)。通常勤務翌日および夜勤シフトの後にランダムオーダーで当該評価をおこなった。4つの認知スキル(作業記憶能力、情報処理能力、知覚推理能力、認知柔軟性)がWechsler Adult Intelligence Scale and the Wisconsin Card Sorting Testを通して評価された。

結果:
 夜勤後の認知力は低下していた:作業記憶能力(11.3 ± 0.3 vs. 9.4 ± 0.3; p < 0.001)、情報処理能力(13.5 ± 0.4 vs. 10.9 ± 0.3; p < 0.001)、知覚推理能力(10.6 ± 0.3 vs. 9.3 ± 0.3; p < 0.002)、認知柔軟性(41.2 ± 1.2 vs. 44.2 ± 1.3; p = 0.063)。認知障害というほどのレベルでは、レジデントとICU医師の間に有意な差はみられなかった。認知柔軟性は2時間の睡眠後に持ち直した。その他の3つの認知スキルは夜勤中の睡眠量に関係なく、障害変容がみられた。

結論:
 集中治療医の認知能力はICUの夜勤後に有意に障害され、これは夜勤中の専門的職務や睡眠時間にかかわらないものだった。


by otowelt | 2016-03-04 00:44 | 集中治療

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