ニコチンパッチを郵送したら禁煙してくれる?

e0156318_23175684.jpg いろいろな工夫をこらす禁煙治療の試験は読んでいて面白いです。

John A. Cunningham, et al.
Effect of Mailing Nicotine Patches on Tobacco Cessation Among Adult Smokers
A Randomized Clinical Trial
JAMA Intern Med. 2016;176(2):184-190.


背景:
 ニコチン置換療法(NRT)の禁煙に対する有効性は過去の臨床試験で実証されており、NRTは行動療法との併用がよく行われている。しかしながら、疫学的データによればNRTを受ける患者はNRTを受けていない患者よりもさほど禁煙成功率が高くない。

目的:
 行動療法サポートなしに喫煙者にニコチンパッチを郵送することの禁煙成功率を調べる。

方法:
 単盲検ランダム化臨床試験。カナダの成人喫煙者でRDD(選挙の結果予測調査などによく用いられるランダム電話インタビュー等)を用いて行った。1日10本以上の喫煙をしている2093人がインタビューを受け、郵送によるニコチンパッチ治療プログラムに興味を示した。
 介入群は、5週間のニコチンパッチ郵送(3週間:ステップ1[21mgニコチン]、1週間:ステップ2[14mgニコチン]、1週間:ステップ3[7mgニコチン])を受けた。行動療法は行っていない。コントロール群は、ニコチンパッチもその他の介入も受けなかった。主要アウトカムは、6ヶ月時点での30日禁煙率とした。

結果:
 2093人の参加者のうち、ベースラインのアンケートに回答できたのは76.5%だった。1000人がランダム化フェーズが妥当と判断された。解析は、介入群500人(平均年齢48歳、255人が女性)、コントロール群499人(平均年齢49.7歳、256人が女性)で行われた。
 自己申告禁煙率は、有意に介入群の方が高かった(30日禁煙率38 [7.6%] vs 15 [3.0%]、オッズ比2.65; 95%信頼区間1.44-4.89; P = .002)。唾液検体は参加者の50.9%のみからしか得られなかった。生化学的な6ヶ月時の禁煙率は、介入群2.8%、コントロール群1.0%だった(オッズ比2.85; 95%信頼区間1.02-7.96; P = .046)。

結論:
 行動療法を伴わないニコチンパッチの郵送による禁煙治療はたばこの禁煙を促進させることができる。ただし、生化学的な検証ではその効果はやや減弱する(妥当性に疑問符?)。


by otowelt | 2016-03-23 00:00 | 呼吸器その他

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