通常の呼吸における結核患者のバイオエアロゾル

e0156318_9552565.jpg 結核患者の呼気中バイオエアロゾルを測定した興味深い報告です。

Fatima B Wurie, et al.
Bioaerosol production by patients with tuberculosis during normal tidal breathing: implications for transmission risk
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207295


背景:
 呼気バイオエアロゾルの粒子径と濃度は、結核伝播リスクに影響を与えるかもしれない。このパイロット研究では、通常の呼吸でどういったバイオエアロゾルが産生されるかを結核患者において測定した。

方法:
 健常者およびUniversity College London NHS Foundation Trust(UCLH)結核サービスから抽出された結核患者を登録した。15回の通常呼吸において、粒子径カウンター技術を用いてエアロゾルサイズおよびその呼気中濃度(0.3~20μm径)を調べた。

結果:
 治療前(ベースライン)において、188人の被験者のデータが得られた。バイオエアロゾル産生は、個々によって大きく差がみられた。多変量解析では、胸腔内の結核病変は、健常人/非感染者と比較して1~5μm径のエアロゾルの産生のオッズ比を上昇させた(補正オッズ比3.5; 95%信頼区間1.6 to 7.8; p=0.002)。
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(文献より引用:各被験者における粒子径)

結論:
 胸腔内の結核病変は、結核菌を伝播させうる粒子径のバイオエアロゾル産生を増加させることが分かった。ただし、結核患者におけるバイオエアロゾルの感染性の程度にはばらつきがあるかもしれない。


by otowelt | 2016-04-05 00:29 | 抗酸菌感染症

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