メタアナリシス:肺高血圧症に対する併用治療は単剤治療よりも有効

e0156318_9102283.jpg PAHに対する併用治療のメタアナリシスです。

Annie Christine Lajoie, et al.
Combination therapy versus monotherapy for pulmonary arterial hypertension: a meta-analysis
Lancet Respiratory Medicine, Published Online: 26 February 2016


背景:
 いくつかのランダム化比較試験や過去にメタアナリシスによれば、肺動脈性肺高血圧症(PAH)に対する併用治療は単剤治療よりも有効とする報告とそうでないとする報告が玉石混交である。われわれは、事前に規定した臨床的なPAH悪化のアウトカムにおけるその真偽を調べるべく、システマティックレビューおよびメタアナリシスを実施した。

方法:
 1990年1月1日から2015年5月31日までの間に報告された、12歳以上のPAH患者に対するPAH特異的治療の併用と単剤を少なくとも12週間比較した前向きランダム化比較試験を、MEDLINEなどの電子データベースから抽出した。事前に規定されている臨床的なPAH悪化のリスクをプライマリアウトカムとし、固定効果モデルに基づいた Mantel-Haenszel 法を用いた。

結果:
 2017の研究のうち、17研究(4095人)を解析に組み込んだ。15の研究は臨床的なPAH悪化についてアセスメントしており、これをプライマリ解析に組み入れた。併用治療は、単剤治療と比較して有意に臨床的なPAH悪化のリスクを減らした(併用治療17% [1940人中332人] vs 単剤治療28%[1862人中517人], リスク比0.65 [95%信頼区間0.58–0.72], p<0.00001)。
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(文献より引用:Figure 2)

 研究間に異質性はみられなかった(I2=18%, Phomogeneity=0.25)。出版バイアスが示唆されたが、標準誤差の高い4研究を除外してもリスク比は同等であった(リスク比0.65 [95%信頼区間0.58–0.73], p<0.00001)。

結論:
 われわれの解析によれば、PAHに対する併用治療は単剤治療よりも臨床的な悪化リスクを減少させることが分かった。しかしながら、この報告は“臨床的悪化”の定義に違いがある研究を統合したもので、出版バイアスもあった。併用治療によっても多くの患者は臨床的悪化を経験しており、新規治療薬の開発が望まれる。


by otowelt | 2016-03-16 00:43 | 呼吸器その他

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