スタチン使用は活動性結核のリスクを減少させる

e0156318_17311371.jpg スタチンと呼吸器疾患の関連については、そろそろ下火になるかなあと思っていたのですが。

Chih-Cheng Lai, et al.
Statin treatment is associated with a decreased risk of active tuberculosis: an analysis of a nationally representative cohort
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207052


背景:
 疫学的なデータによれば、スタチンは呼吸器感染症の臨床アウトカムを改善するとされている。われわれは、スタチンが活動性結核のリスクを減少させるかどうか調べた。

方法:
 われわれは1999年~2011年の国民健康保険請求データベースから得られたデータをもとに症例対照研究を実施した。スタチンの使用について層別化を行った(現行使用、直近使用、過去使用、慢性使用)。罹患率比算出のために3つの条件付きロジスティック回帰モデルを用いた。1つ目は補正なしのスタチン使用の影響、2つ目は75の潜在的交絡因子の補正を加えたもの、3つ目はDisease Risk Score (DRS)で補正を加えたもの。

結果:
 8098人の新規結核患者と809800人のコントロール患者を登録した。すべてのスタチン使用タイプにおいて活動性結核のリスクが減少した。慢性使用(年90日を超える)はもっとも非補正リスクが低かった(0.74; 95%信頼区間0.63 to 0.87)。交絡因子やDRSで補正を加えても、活動性結核に対する保護的影響は有意にみられた(0.66; 95%信頼区間0.56 to 0.78および0.62; 95%信頼区間0.53 to 0.72)。慢性的および現行のスタチン使用がもたらす影響は酷似していた。スタチン処方期間が長くなるほど、活動性結核への保護的影響は大きくなった。

結論:
 スタチン使用は活動性結核のリスクを減少させ、その処方の長さが結核の保護的影響に寄与している。


by otowelt | 2016-05-06 00:17 | 抗酸菌感染症

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