IPFが進行し続けてもピルフェニドンを継続したほうがよい?

e0156318_13274932.jpg ご存知Nathan医師の論文です。beyond PDという考え方が肺がんの世界に存在しますが、IPFでもこうした考えが出てきました。

Steven D Nathan, et al.
Effect of continued treatment with pirfenidone following clinically meaningful declines in forced vital capacity: analysis of data from three phase 3 trials in patients with idiopathic pulmonary fibrosis
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207011


背景:
 特発性肺線維症(IPF)の治療反応をアセスメントするにしても、臨床経過にばらつきがあり複雑と言える。われわれは、疾患進行の頻度を調べ、増悪後もピルフェニドンの治療を継続した場合の効果を評価した。

方法:
 ASCENDおよびCAPACITY試験の登録患者を組み込んだ(1247人)。プラセボ群における6ヶ月間隔の連続呼吸機能検査の努力性肺活量変化との関連性をみるためピアソンの相関係数を用いた。努力性肺活量が10%以上減少したピルフェニドン群の患者は、図のようにその後の6ヶ月フォローアップアウトカム解析期間に組み入れた。プラセボ群は、6ヶ月ごとに努力性肺活量10%以上の減少あるいは死亡をきたしたかどうかをアウトカムとした。
e0156318_11345971.jpg
(Figure1:文献より引用)

結果:
 プラセボ群の連続した6ヶ月ごとの努力性肺活量の変化には弱いながらも負の相関がみられた(相関係数−0.146, p<0.001)。ピルフェニドン群の34人(5.5%)およびプラセボ群の68人(10.9%)が10%以上の努力性肺活量減少を6ヶ月時点で経験していた。引き続く呼吸機能検査で、ピルフェニドン群の患者はプラセボ群よりも10%以上の努力性肺活量や死亡を経験する頻度が低かった(5.9% vs 27.9%; 相対差78.9%)。ピルフェニドン群の1人(2.9%)、プラセボ群の14人(20.6%)が死亡した(相対差85.7%)。

結論:
 IPF患者の縦断的な努力性肺活量データは患者間にばらつきがあるものの、連続した努力性肺活量の傾向を用いて治療反応をアセスメントすることは難しいのではないだろうか。治療中に疾患進行した患者において、ピルフェニドン治療を継続することはその後の努力性肺活量減少や死亡のリスクを減らす。


by otowelt | 2016-04-15 00:00 | びまん性肺疾患

<< 第9回PRIMEセミナー開催の... GERDに対してPPI治療を受... >>