POPLAR試験:治療歴のある非小細胞肺癌に対してアテゾリズマブはドセタキセルより全生存期間を延長

e0156318_12291546.jpg ご存知かと思いますが、オプジーボはPD-1阻害薬で、アテゾリズマブはPD-L1阻害薬です。

Fehrenbacher L, et al.
Atezolizumab versus docetaxel for patients with previously treated non-small-cell lung cancer (POPLAR): a multicentre, open-label, phase 2 randomised controlled trial.
Lancet. 2016 Mar 9. pii: S0140-6736(16)00587-0.


背景:
 進行性あるいは転移性非小細胞肺癌(NSCLC)の治療歴のある患者アウトカムは不良である。PD-L1抗体であるアテゾリズマブはNSCLCに対して臨床的活性があり、特に腫瘍細胞上にPD-L1を発現している癌に効果的である。われわれは、治療歴のあるNSCLCに対するアテゾリズマブとドセタキセルの効果・安全性を比較し、腫瘍細胞および腫瘍浸潤免疫細胞のPD-L1発現レベルを解析した。

方法:
 このオープンラベル第2相ランダム化比較試験において、プラチナベースの化学療法を受けた後に病勢進行がみられたNSCLC患者を13か国61施設から登録した。適格基準は、ECOG PS0-1、RECIST判定可能な測定病変を有するもの、腫瘍臓器機能に問題がない症例とした。患者はPD-L1腫瘍浸潤免疫細胞ステータス、組織型、過去の治療ライン数によって層別化され、ランダムに1:1にアテゾリズマブ1200mg点滴静注あるいはドセタキセル75mg/m2の3週ごとの投与に割り付けた。ベースラインのPD-L1発現は、腫瘍細胞および腫瘍浸潤免疫細胞の免疫組織化学所見によってスコア化された。プライマリエンドポイントはITT、PD-L1サブグループにおける全生存期間とした。バイオマーカーについても探索的に検査を実施した。

結果:
 患者は2013年8月5日から2014年3月31日までの間に登録され、144人がランダムにアテゾリズマブ群、143人がドセタキセル群に割り付けられた。ITTにおける全生存期間はアテゾリズマブ群12.6ヶ月(95%信頼区間9.7-16.4)、ドセタキセル群9.7ヶ月(95%信頼区間8.6-12.0)であった(ハザード比0.73[95%信頼区間0.53-0.99]、p=0.04)。全生存期間の延長は、PD-L1発現増加と関連していた(TC3 or IC3 ハザード比0.49 [95%信頼区間0.22-1.07; p=0.068], TC2/3 or IC2/3 ハザード比0.54 [95%信頼区間0.33-0.89; p=0.014], TC1/2/3 or IC1/2/3 ハザード比0.59 [95%信頼区間0.40-0.85; p=0.005], TC0 and IC0 ハザード比1.04 [95%信頼区間0.62-1.75; p=0.871])。探索的解析では、治療前の免疫状態の指標としてエフェクターT細胞インターフェロンγ関連遺伝子発現が高いと、全生存期間がアテゾリズマブ群で有意に改善した。アテゾリズマブ群の11人(8%)、ドセタキセル群の30人(22%)が有害事象のため治療を中断した。治療に関連したグレード3-4の有害事象はアテゾリズマブ群の16人(11%)、ドセタキセル群の52人(39%)にみられた。治療関連有害事象によって、アテゾリズマブ群の1人(<1%)、ドセタキセル群の3人(2%)が死亡した。
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(中外製薬ウェブサイトより)

結論:
 治療歴のあるNSCLCに対するアテゾリズマブは、ドセタキセルよりも有意に全生存期間を延長させる。腫瘍細胞および腫瘍浸潤免疫細胞における免疫組織化学的なPD-L1発現に関連した全生存期間の延長は、PD-L1発現がアテゾリズマブによる利益を予測することが示唆される。アテゾリズマブは忍容性が高い。
 

by otowelt | 2016-03-18 00:16 | 肺癌・その他腫瘍

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