胸部HRCTにおけるinconsistent with UIPには、病理学的なUIP診断が多数含まれる

e0156318_9301181.jpg 過去の報告ではUIPの画像-病理診断の観察者間一致は、κ=0.5程度とされています。胸部HRCTにおいてinconsistent with UIPパターンであっても、真のUIP患者さんがたくさん存在するということは、胸部HRCTのパターン認識が疾患進行や予後を反映するものではなく、あくまで縦断的診断の要素が強いことを示唆するものです。
 適格基準が定められた臨床試験や疫学ならともかく、目の前の患者さんがpossible UIPかinconsistent with UIPの分類のどちらに入るのかという問題は、市中肺炎の胸部画像を見てconsolidationなのかGGOなのかという問題と、本質的に差はありません。
 
Yagihashi K, et al.
Radiologic-pathologic discordance in biopsy-proven usual interstitial pneumonia.
Eur Respir J. 2016 Feb 25. pii: ERJ-01680-2015.


背景:
 この研究の目的は、特発性肺線維症(IPF)の多施設共同試験に参加した大規模集団における臨床的、放射線学的、病理学的所見を、特にUIPの画像診断と組織診断の不一致に焦点を当てて比較することである。

方法:
 2人の独立した放射線科医が、胸部HRCTおよび外科的肺生検を受けた241人の患者をレトロスペクティブにレビューした。HRCT所見は、UIP、possible UIP、inconsistent with UIPに分類された。組織所見はdefinite UIP, probable UIP, possibe UIP, not UIPに分類された。

結果:
 241人のうち、胸部HRCTで102人(42.3%)がUIP、64人(26.6%)がpossible UIP、75人(31.1%)がinconsistent with UIPと診断された。胸部HRCTでUIPと診断された患者のうち、99人(97.1%)が組織学的にdefiniteあるいはprobable UIPと診断され(一致群)、胸部HRCTでinconsistent with UIPと診断された患者のうち71人(94.7%)が組織学的にdefiniteあるいはprobable UIPと診断された(不一致群)。不一致群の患者は、一致群の患者よりもやや若く喫煙者が少なかったが、両群で生存期間に差はみられなかった。

結論:
 IPFと診断された患者のうち、胸部HRCTでinconsistent with UIPと診断された患者の94.7%が組織学的にUIPと診断された。これはすなわち、inconsistent with UIPという用語が、病態のミスリードを招くことを支持するものである。


by otowelt | 2016-04-06 07:43 | びまん性肺疾患

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