人工呼吸器を要する結核患者は、市中肺炎患者よりも死亡率が高い

e0156318_1641291.jpg 人工呼吸器を装着した結核患者さんは数えるくらいしか診たことがありませんが、やはり全例死亡しています。ベースラインの免疫状態もさることながら、市中肺炎のように侵された肺組織の機能が戻りにくいためだと思います。重症の結核は、何年後も何十年後もその陰影を強く残しています。

Kim S, et al.
Mortality and predictors in pulmonary tuberculosis with respiratory failure requiring mechanical ventilation.
Int J Tuberc Lung Dis. 2016 Apr;20(4):524-9.


目的:
 肺結核による呼吸不全で人工呼吸器を受けた患者の、重症化予測因子と死亡率を調べること。

デザイン:
 市中肺炎で人工呼吸器を要した患者と、結核で人工呼吸器を要した患者をレトロスペクティブに比較。

結果:
 院内死亡率は、両群で有意な差がみられた。結核群95.1%、市中肺炎群62.7%(P < 0.001)。結核患者は30日死亡率が高かったが(P = 0.040)、SOFAスコア中央値(7.0 vs. 6.0, P = 0.842)および平均APACHE IIスコア(20.0 ± 6.7 vs. 21.2 ± 6.7, P = 0.379)に群間差はなかった。結核患者はより肺病変が広範囲で(オッズ比1.307, 95%信頼区間1.042-1.641, P = 0.021)、血清アルブミン値が低く(オッズ比0.073, 95%信頼区間0.016-0.335, P = 0.001)、CRPが低く(オッズ比0.324, 95%信頼区間0.146-0.716, P = 0.005)、CURB-65スコアが低かった(オッズ比0.916, 95%信頼区間0.844-0.995, P = 0.037)。

結論:
 市中肺炎患者と比べて、結核患者はSOFAおよびAPACHE IIスコアは同等だったが死亡率が高かった。高い死亡率は重症度とは関連していなかったが、肺病変の破壊性進行と関連していることが示唆された。


by otowelt | 2016-04-28 00:36 | 抗酸菌感染症

<< 閉塞性睡眠時無呼吸は職業性外傷... IPFに対する制酸剤治療は無効 >>