抜管後は通常の酸素療法よりネーザルハイフローの方がよい

e0156318_13512197.jpg 率にすると2倍の開きがあるほど、ネーザルハイフローが有効という結論になります。抜管後NPPVはさほどよい報告もなかったため、今回はインパクトのある結果でしょうか。

Hernández G, et al.
Effect of Postextubation High-Flow Nasal Cannula vs Conventional Oxygen Therapy on Reintubation in Low-Risk Patients: A Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2016 Mar 15. doi: 10.1001/jama.2016.2711. [Epub ahead of print]


背景:
 抜管後の再挿管が高リスクおよび低リスクである混合集団の重症患者の研究では、ハイフロー鼻腔酸素療法は通常の酸素療法よりも抜管後の酸素化を改善することが示されている。しかしながら、再挿管についての決定的なデータは不足している。

目的:
 人工呼吸器を装着している18歳以上の患者で、抜管後の再挿管のリスクが低い場合のハイフロー鼻腔酸素療法が、通常の酸素療法よりも優れているかどうか調べること。

デザイン:
 2012年9月から2014年10月の間にスペインの7つのICUで多施設共同ランダム化比較試験を実施した。登録患者は527人の成人重症患者で、計画的抜管の基準を満たした再挿管のリスクが低いものとした。低リスクの定義は、65歳未満、挿管時のAPACHE IIスコアが12点未満、BMIが30未満、適切な気道分泌物マネジメントを実施されている、適切なウィーニング、合併症が0ないし1、心不全・中等症~重症COPD・気道開存性の問題・人工呼吸器装着の遷延がないことと定義した。

介入:
 患者は抜管後24時間、ハイフロー鼻腔酸素療法あるいは通常の酸素療法にランダムに割り付けられた。フローは、10L/分から開始し、患者が不快に思うラインまでアップしていった。

アウトカム:
 プライマリアウトカムは、72時間以内の再挿管とした。セカンダリアウトカムは、抜管後呼吸不全、気道感染、敗血症、多臓器不全、ICU在室日数および入院日数、ICUおよび入院死亡率、有害事象、再挿管までの時間とした。

結果:
 527人(平均年齢51歳、62%が男性)のうち、264人がハイフロー鼻腔酸素療法、263人が通常の酸素療法を受けた。72時間以内の再挿管はハイフロー鼻腔酸素療法群で少なかった(13人[4.9%] vs 32人 [12.2%];絶対差7.2% [95%信頼区間2.5% to 12.2%]; P = .004)。通常の酸素療法群の再挿管率は過去の報告と同水準であった。多変量解析では、ハイフロー鼻腔酸素療法はあらゆる原因での再挿管の低さと独立して関連していた(オッズ比0.32 [95%信頼区間0.16 to 0.66])。1人の再挿管を予防するためのハイフロー鼻腔酸素療法のNNTは14(95%信頼区間8-40)であった。
 抜管後呼吸不全についてもハイフロ―鼻腔酸素療法群で少なかった(22人/264人[8.3%] vs 38人/263人[14.4%];絶対差6.1% [95%信頼区間0.7% to 11.6%]; P = .03)。再挿管までの時間に両群で有意差はなかった(19時間[IQR12-28]vs 15時間[IQR9-31];絶対差-4 [95%信頼区間-54 to 46]; P = .66]。ICU在室日数も統計学的な差はなかった(6日[IQR, 2-8] vs 6日[IQR, 2-9];絶対差0日 [95%信頼区間−10 to 24]; P = .29)。鼻粘膜や皮膚に関するトラブルも含め、ハイフロー鼻腔酸素療法による有害事象は報告されなかった。

結論:
 再挿管のリスクが低い抜管後の患者において、ハイフロー鼻腔酸素療法は通常の酸素療法と比較して72時間以内の再挿管のリスクを減少させる。


by otowelt | 2016-03-31 00:30 | 集中治療

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