IPFに対する制酸剤治療は無効

e0156318_9301181.jpg 感染症のリスクを増加させる可能性については、軽視できませんね。 

Kreuter M, et al.
Antacid therapy and disease outcomes in idiopathic pulmonary fibrosis: a pooled analysis.
Lancet Respir Med. 2016 Mar 31. pii: S2213-2600(16)00067-9.


背景:
 GERDは特発性肺線維症(IPF)の潜在的リスク因子とされている。われわれは、IPFに対するピルフェニドンの臨床試験でプラセボに割り付けられた患者において、制酸剤治療が疾患進行に影響を与えるかどうか調べた。

方法:
 CAPACITY004試験、006試験、ASCEND試験でプラセボ群に割り付けられたIPF患者が事後解析に組み込まれた。われわれは、ベースラインで制酸剤治療を受けていた患者がその肺機能、運動耐容能、生存、入院、有害事象に影響を与えるか調べた。プライマリエンドポイントは、1年後の疾患進行(努力性肺活量の10%以上の減少、6分間歩行距離の50m以上の減少、死亡)とした。

結果:
 624人の患者のうち、291人(47%)が制酸剤治療を受けていた。52週時点で、制酸剤治療を受けている群と受けてない群で疾患進行に有意差はみられなかった(制酸剤治療群:114 [39%]vs 非治療群:141 [42%], p=0.4844)。全死因死亡、IPF関連死亡率、努力性肺活量10%以上の減少、努力性肺活量の平均変化量についても両群に差はみられなかった。入院率は制酸剤治療群の方が有意ではないがやや多い傾向がみられた(65人[22%] vs 54人[16%]; p=0.0522)。ベースラインの努力性肺活量(70%カットオフ)で層別化しても、疾患進行、死亡率、努力性肺活量、6分間歩行距離、入院は両群に差はみられなかった。有害事象は両群とも同等であったが、全体の感染症、肺感染症は制酸剤治療を受けている進行期IPF患者(たとえば努力性肺活量70%未満)に多くみられた。

結論:
 IPF患者に対する制酸剤治療はアウトカムを改善させないだけでなく、潜在的に進行期患者の感染症リスク上昇と関連している。


by otowelt | 2016-04-27 00:11 | びまん性肺疾患

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