IPF患者に抗凝固療法はよくない?

e0156318_9301181.jpg IPF患者にワーファリンを用いる場合には注意した方がよさそうですね。

Kreuter M, et al.
Unfavourable effects of medically indicated oral anticoagulants on survival in idiopathic pulmonary fibrosis.
Eur Respir J. 2016 Apr 21. pii: ERJ-02087-2015. doi: 10.1183/13993003.02087-2015.

背景:
 IPFにおいて凝固促進および抗線溶活性が関連しているとされているが、IPFにおける抗凝固療法は有害な効果をもたらすのではと危惧されている。この事後解析で、抗凝固療法がIPFの死亡率やその他のアウトカムに影響を与えるかどうか評価した。

方法:
 IPFに対する3つの比較試験でプラセボ群に登録された624人が抗凝固療法使用の解析対象となった。エンドポイントとして、全死因死亡率、IPF関連死亡率、疾患進行、入院、有害事象を設定した。

結果:
 ベースラインにおいて、プラセボに割り付けられた32人(5.1%)の患者が抗凝固療法を使用しており、29人(90.6%)がワーファリンを用いていた。非補正解析では、ベースラインの抗凝固療法は、非使用者と比べ1年次での全死因およびIPF関連死亡率を有意に上昇させた(それぞれ15.6% vs 6.3%, p=0.039, 15.6% vs 3.9%, p=0.002)。多変量解析をおこなうと、ベースラインの抗凝固療法はIPF関連死亡の独立予測因子であったが(ハザード比4.7, p=0.034)、他のエンドポイントでは有意差は観察されなかった。出血や心血管イベントは両群で差はなかった。

結論:
 この事後解析では、IPF患者に対する抗凝固療法(非IPF適応としての)は望ましくない影響をもたらすかもしれない。


by otowelt | 2016-05-12 00:00 | びまん性肺疾患

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