COPDに対するICS+低用量テオフィリンはICS+プラセボと臨床的な差なし

e0156318_10125294.jpg テオフィリンにおけるHDAC神話が崩れそうな結果ですね。ホスホジエステラーゼ阻害効果もたいしたものではないのかもしれません。個人的にはICSと併用しても臨床的な差はないと思っていたので、『COPDの教科書』に記載したようにICS導入よりも前に使っていますが・・・。

Borja G. Cosío, et al.
Oral Low-Dose Theophylline on Top of Inhaled Fluticasone-Salmeterol Does Not Reduce Exacerbations in Patients with Severe COPD: A Pilot Clinical Trial
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.04.011


背景:
 COPDは慢性炎症に特徴づけられる呼吸器疾患である。in vitroおよびex-vivoの研究では、この炎症反応はステロイドに影響を受けにくいとされており、低用量テオフィリンがヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を経て修復にはたらきかけると報告されている。これがin vivoでも起こりうる現象なのかどうか、また低用量テオフィリンに潜在的な臨床的意義があるのかどうか、不明だった。

目的:
 最大用量のICS/LABA治療を受けているCOPD患者における低用量テオフィリンの効果を同定すること。①in vivoにおいてHDAC活性およびICSの抗炎症効果を促進するかどうか、②炎症性マーカーの濃度を減少させるかどうか、③COPD急性増悪の頻度を減少させるかどうか、を検証した。

方法:
 この前向き二重盲検プラセボ対照試験において、われわれはCOPD患者(%1秒量<50%で少なくとも過去1年に増悪により入院を経験している者)を、ICS+テオフィリン100mg1日2回あるいはICS+プラセボにランダムに割り付けた。ベースライン~フォローアップ52週時点での①血中単球および喀痰中マクロファージにおけるHDAC活性、②血中および喀痰中の複数の炎症性マーカー濃度(IL-8、IL-6、IL-1β、TFN-α)、③COPD急性増悪の頻度および有害事象、を調べた。

結果:
 70人の患者がランダム化された。36人がテオフィリン群、34人がプラセボ群に割り付けられた。HDAC活性および炎症性マーカーは、ベースラインあるいは52週時点においても両群で同等だった。また、急性増悪の頻度も同等だった。

結論:
 経口低用量テオフィリンとICSの併用は、in vivoにおいてICSの抗炎症効果を促進させず、急性増悪の頻度にも影響を与えない。


by otowelt | 2016-05-17 00:53 | 気管支喘息・COPD

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