コントロール不良難治性喘息に対するデュピルマブは1秒量および喘息発作頻度を改善

e0156318_1342896.jpg 喘息に用いる抗体医薬品がややこしくなってきたと思うので、ここでまとめてみましょう。日本で使用されるのは、オマリズマブとメポリズマブです。現在サンフランシスコで開かれているATS2016でも4演題ほどがPoster Discussion Session、Thematic Poster Session にエントリーされています。



オマリズマブ(ゾレア®):抗IgE抗体
メポリズマブ(ヌーカラ®)、レスリズマブ、ベンラリズマブ:抗インターロイキン5抗体
レブリキズマブ:抗インターロイキン13抗体
デュピルマブ:抗インターロイキン4抗体


Wenzel S, et al.
Dupilumab efficacy and safety in adults with uncontrolled persistent asthma despite use of medium-to-high-dose inhaled corticosteroids plus a long-acting β2 agonist: a randomised double-blind placebo-controlled pivotal phase 2b dose-ranging trial.
Lancet. 2016 Apr 26. pii: S0140-6736(16)30307-5. doi: 10.1016/S0140-6736(16)30307-5.


背景:
 デュピルマブはインターロイキン-4受容体αサブユニットに対する完全ヒト化モノクローナル抗体であり、インターロイキン4および13のシグナルを阻害する。中用量~高用量ICS+LABAを投与されているコントロール不良の難治性喘息の成人には、追加的治療が必要である。われわれは、当該喘息患者におけるデュピルマブの追加的治療効果を調べた(末梢血好酸球数は問わない)。

方法:
 これは、16ヶ国174施設において実施されたランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間第2b相試験である。18歳以上の成人で、GINA2009ガイドラインに基づいて12ヶ月以上喘息と診断され中用量~高用量ICS+LABAの治療を受けている患者を対象とした。患者はランダムに1:1:1:1:1にデュピルマブ200mg皮下注射2週ごとあるいは4週ごとの群、同300mg2週ごとあるいは4週ごとの群、およびプラセボ群にランダムに24週間割り付けられた。プライマリエンドポイントは、ITT集団におけるベースライン時の好酸球数が300/μL以上ある患者の12週時点でのベースラインからの1秒量変化とした。安全性アウトカムは1回でも投与された患者全員で解析された。

結果:
 769人の患者(158人がプラセボ群、611人がデュピルマブ群)が少なくとも1回の薬剤投与を受けた。好酸球数が少なくとも300/μLあるサブグループ患者では、12週時点の1秒量はプラセボと比較してデュピルマブ群で大きく上昇した。具体的には、300mg2週ごと群の平均変化0.39L(標準誤差0.05L)、同平均差0.21L(95%信頼区間0.06-0.36、p=0.0063)、200mg2週ごと群の平均変化0.43L(標準誤差0.05L)、同平均差0.26L(95%信頼区間0.11-0.40、p=0.0008)、プラセボ群の平均変化0.18L(標準誤差0.05L)。同様の増加は、全患者および好酸球数が300/μLに満たないサブグループ患者でも認められ(全患者:200mg2週ごと群, p<0.0001; 300mg2週ごと群:p<0.0001、好酸球低値群:200mg2週ごと群:p=0.0034、300mg2週ごと群:p=0.0086)、その効果は24週まで持続した。
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(文献より引用:Figure2:全集団の1秒量)

 デュピルマブの2週ごとの使用によって、喘息発作の年間発生は減少した(全患者:70-70.5%、好酸球数300/μL群:71.2-80.7%、好酸球低値群;59.9-67.6%)。
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(文献より引用:Figure3)

 もっともよくみられたデュピルマブの有害事象は、上気道感染症および注射部位反応であった(プラセボと有意差なし)。

結論:
 コントロール不良の難治性喘息患者に対するデュピルマブは、ベースラインの好酸球数に関係なく肺機能を増加させ発作の頻度を軽減し、安全性プロファイルも良好である。


by otowelt | 2016-05-18 00:45 | 気管支喘息・COPD

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