SUMMIT試験:循環器系ハイリスクのCOPD患者に対するレルベア®は有効かつ安全

e0156318_7401358.jpg レルベア®の臨床試験です。レスピマット問題がなかったならば、本来このような臨床試験が組まれる風潮はなかったのかもしれませんが・・・。
 レルベア®は現在喘息に用いられていますが、いずれCOPDにも使われるようになります(現在承認申請中)。とはいえ、私は個人的にICSをあまりCOPDに用いないスタンスなのですが。

Jørgen Vestbo, et al.
Fluticasone furoate and vilanterol and survival in chronic obstructive pulmonary disease with heightened cardiovascular risk (SUMMIT): a double-blind randomised controlled trial
Lancet, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(16)30069-1


背景:
 COPDはしばしば心血管疾患と合併している。気流制限に対する治療は、生存アウトカムや呼吸器系・心血管系アウトカムを改善させるかもしれない。この研究の目的は、吸入治療のうちICSであるフルチカゾンフランカルボン酸と、LABAであるビランテロールの併用療法がプラセボよりも生存アウトカムを改善させるかどうか、中等症COPDがあり心血管系リスクの高い患者において比較することである。

方法:
 この二重盲検ランダム下比較試験(SUMMIT)では、43ヶ国1368施設から40~80歳の適格患者が集められ、た。患者は吸入後1秒量が予測値の50~70%で、1秒率は0.70以下、喫煙歴は少なくとも10pack-yearsを有しているmMRC2度以上の者とした。患者は、心血管系疾患の既往やまたそのリスクにある状態とした。登録された患者はランダムに1:1:1:1に吸入プラセボ、フルチカゾンフランカルボン酸100μg、ビランテロール25μg、それらの併用の4群に割り付けられた。プライマリアウトカムは全死因死亡とし、セカンダリアウトカムは1秒量減少、心血管系イベントの複合とした。安全性解析は一度でも投与を受けた患者全員に実施した。効果解析は、ITT集団で実施。

結果:
 2011年1月24日~2014年4月12日までの間、23835人がスクリーニングされた。そのうち16590人がランダム化された。16485人がITT効果解析に組み込まれた。4111人がプラセボ群、4135人がフルチカゾンフランカルボン酸群、4118人がビランテロール群、4121人が併用群である。
 プラセボと比較して、全死因死亡は併用療法によって影響を受けなかった(ハザード比0.88、95%信頼区間0.74-1.04、12%相対減少、p=0.137)。また各々の成分であるフルチカゾンフランカルボン酸(ハザード比0.91、95%信頼区間0.77-1.08、p=0.284)、ビランテロール(ハザード比0.96、95%信頼区間0.81-1.14、p=0.655)も同様の結果であった。併用群の1秒量の減少も併用群はプラセボより少なかった(1年あたり38mL vs. 46mL)。これについてもフルチカゾンフランカルボン酸も同様の結果であったが、ビランテロールのみ統計学的な差は観察されなかった。
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(文献より引用:Figure2:Probability of death (primary endpoint))

 併用治療は心血管系イベント複合アウトカムに影響をもたさなかった(ハザード比0.93 [95%信頼区間0.75–1.14])。これはフルチカゾンフランカルボン酸(ハザード比0.90 [95%信頼区間0.72–1.11])およびビランテロール(ハザード比0.99 [95%信頼区間0.80–1.22])でも同等だった。全ての治療買いニュによって中等度および重度の増悪の頻度を減らすことができた。追加的な有害事象や有害心血管系イベントは治療群で観察されなかった。

結論:
 中等症のCOPDで心血管系リスクが高い患者において、フルチカゾンフランカルボン酸およびビランテロールの吸入は死亡率や心血管系アウトカムに影響を与えず、COPD急性増悪を減少させ、忍容性も高かった。


by otowelt | 2016-05-19 00:59 | 気管支喘息・COPD

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