成人市中肺炎における血清プロカルシトニン濃度が高値の場合、集中治療を要するリスクが高い

e0156318_22555653.jpg 当院は複雑な呼吸器疾患の患者さんがいらっしゃるので、人工呼吸器を要するリスクは血清プロカルシトニンだけでは推定できないのが現状です。

Wesley H. Self, et al.
Procalcitonin as an Early Marker of the Need for Invasive Respiratory or Vasopressor Support in Adults with Community-Acquired Pneumonia
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.04.010


背景:
 市中肺炎(CAP)の成人患者のうち集中治療を要するかどうか予測することはまだ困難である。

方法:
 CAPで入院した成人患者に対する多施設共同前向きコホート研究において、われわれは入院時の血清プロカルシトニン濃度が、その後72時間以内に侵襲性呼吸器管理または血管作動薬管理(IRVS)の必要性と関連しているかどうかロジスティック回帰モデルを用いて評価した。また、プロカルシトニンを既存の肺炎重症度スコア(PSIおよびATS minor criteria)に加えることがIRVSの予測パフォーマンスを変えるかどうかも調べた。

結果:
 1770人の患者が登録され、115人(6.5%)がIRVSを要した。ロジスティック回帰モデルを用いると、プロカルシトニン濃度はIRVSリスクと強く関連していた。同定できないくらい低値のプロカルシトニン(<0.05 ng/ml)はIRVSリスク4.0%(95%信頼区間3.1-5.1%)と関連していた。10ng/ml未満の濃度においては、プロカルシトニンはIRVSリスクをおおよそ線形関係で表すことができ、1ng/ml上昇ごとに1-2%の絶対リスク上昇がみられた。プロカルシトニン濃度10ng/mlでは、IRVSリスクは22.4%(95%信頼区間16.3-30.1%)で、それを超える濃度でも比較的一定を保った。肺炎重症度スコアにプロカルシトニン濃度を加えると、IRVS予測パフォーマンスを向上させた。

結論:
 血清プロカルシトニン濃度は成人入院CAP患者におけるIRVSリスクと関連しており、ICU入室の決定に有用かもしれない。


by otowelt | 2016-05-25 00:15 | 感染症全般

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