IPFに対する吸入NACは有効か?

e0156318_7331272.jpg 内服のアセチルシステインはネガティブというコンセンサスが定着しつつありますが、日本における吸入NACはIPFに対して有効とするデータが多いように思います。
 先日のATS2016では、IPF患者のうち抗核抗体陽性例にNACが効果的であると報告されています(A6434)。

Okuda R, et al.
Efficacy and safety of inhaled N-acetylcysteine in idiopathic pulmonary fibrosis: A prospective, single-arm study.
Respir Investig. 2016 May;54(3):156-61.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は治療オプションの限られた進行性肺疾患である。IPFに対するN-アセチルシステイン(NAC)の効果については議論の余地がある。この研究の目的は、吸入NACの効果を調べることである。

方法:
 単施設におけるシングルアームの前向き研究である。IPF患者は、吸入NAC352.4mgを1日2回投与された。

結果:
 28人の患者が登録された。治療開始時の肺機能パラメータの平均は以下の通りであった:努力性肺活量(FVC)2.27L、%FVC76.2%。吸入NAC投与前26週のFVC平均変化は-170mLであり、有意な減少であった(p=0.019)。吸入NAC投与後26週のFVC平均変化は-70mLであった(p=0.06)。患者を治療前26週のFVC減少が100mL以上の群とそれ未満の群に2群に分けてみると、吸入NACは100mL以上減少した群の方が吸入NACの効果は大きかった。

結論:
 軽症~中等症IPF患者における吸入NACは効果的で、FVCの減少が大きな患者には有効かもしれない。


by otowelt | 2016-05-26 00:25 | びまん性肺疾患

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