ILDに対する長期ステロイド治療は筋力低下を招く

e0156318_1462333.jpg ILD、特に線維性ILDに対して積極的にステロイドが用いられていた時代は何だったのだろうと思うことがあります。

Masatoshi Hanada, et al.
Effect of long-term treatment with corticosteroids on skeletal muscle strength, functional exercise capacity and health status in patients with interstitial lung disease
Respirology, DOI: 10.1111/resp.12807


背景および目的:
 ステロイドは間質性肺疾患(ILD)の治療に時折用いられる。慢性のステロイド投与は筋力低下を誘発する。しかしながら、慢性のステロイド治療が通常より筋力が低下しているILD患者の筋力をさらに低下させるかどうかは分かっていない。この研究の目的は、慢性のステロイド投与がILD患者の筋力、運動耐容能、ADL、健康ステータスに与える影響を調べることである。

方法:
 47人のステロイド治療を受けたILD患者および51人のMRCグレードをマッチさせたステロイド治療を受けていないILD患者を登録し、大腿四頭筋力(QF)および握力(HF)、呼吸機能、6分間歩行距離、ADLスコアおよび健康ステータス(SF-36)を調べ、2群間で比較した。

結果:
 QFおよびHFは有意にステロイド治療を受けている患者群で低かった(QF, 52.6 ± 25.6 vs 77.1 ± 33.3%予測値, P < 0.001; HF, 63.8 ± 22.4 vs 81.8 ± 28.3%予測値, P < 0.001)。6分間歩行距離、ADLスコア、SF-36には差はみられなかった。筋力とステロイド投与量は逆相関していた(QF, r = −0.401, P = 0.005; HF, r = −0.403, P = 0.005)。多変量回帰分析で、ステロイド投与総量はHFの独立予測因子だった。

結論:
 ILD患者において慢性のステロイド治療は筋力低下をもたらし、これはステロイドの投与総量と逆相関していた。


by otowelt | 2016-06-01 00:03 | びまん性肺疾患

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