北海道COPDコホート研究:COPD患者における喘息様の特徴は良好な臨床経過と関連

e0156318_10162037.jpg 面白かったです。久しぶりに全文一気に読めました。ACOSの臨床に即した内容だと思います。ただATSのACOSガイドラインでは、好酸球数の規定はありません(気道可逆性[変動]、アトピーについては記載あり)。CosioらのACOS診断基準では好酸球数比率の規定(5%超)があります(Chest. 2016 Jan;149(1):45-52)。

Suzuki M, et al.
Asthma-like Features and Clinical Course of COPD: An Analysis From the Hokkaido COPD Cohort Study.
Am J Respir Crit Care Med. 2016 May 25. [Epub ahead of print]


背景:
 COPD患者の中には、臨床的に喘息と診断を受けてはいないものの、有意な気道可逆性、血中好酸球高値、アトピーといった喘息様の特徴を有する者がいる。しかしながら、COPDを合併した喘息様徴候の臨床的重要性についてはまだよくわかっていない。この研究の目的は、10年におよぶフォローアップにおいて適切に治療されたCOPD患者における喘息様の特徴が、その臨床経過にもたらす影響を調べることである。

方法:
 COPD患者の中で、呼吸器専門医により喘息を有さないと判断された268人が登録された。喘息様の特徴には、気道可逆性(Δ1秒量≥12%、≥200 mL)、血中好酸球高値(≥300 cells/µL)、アトピー(吸入抗原に対する特異的IgE陽性)とした。気管支拡張薬投与後1秒量およびCOPD増悪が初期5年間でモニターされ、死亡率については合計10年フォローアップした。

結果:
 57人(21%)が気道可逆性を有しており、52人(19%)が血中好酸球が高値で、67人(25%)がアトピーを有していた。血中好酸球高値の患者は、有意に気管支拡張薬投与後1秒量の年率減少がゆるやかであったが、気道可逆性およびアトピーの存在は同変化に影響を与えなかった。また、いずれの喘息様の特徴もCOPD増悪には関連していなかった。喘息様の特徴を2つ以上有する患者ではその1秒量減少と増悪率は同等の結果であったが、10年死亡率は喘息様の特徴を1つ以下有する患者と比べて低かった(p=0.02)。

結論:
 喘息様の特徴は、適切な治療を受けているCOPDの良好な臨床経過と関連していた。


by otowelt | 2016-06-14 00:43 | 気管支喘息・COPD

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