嚢胞性線維症に対する長期アジスロマイシンはNG!?

 アジスロマイシン長期投与についてはCOPDにもエビデンスがありますが、私は使ったことがありません。ただ、一部の非結核性抗酸菌症に対してはやむなく使用することもあります。

参考文献
遷延性咳嗽に対する低用量アジスロマイシンは無効だが、気管支喘息関連咳嗽には有効か
COLUMBUS試験:アジスロマイシン維持療法はCOPD急性増悪の頻度を減少させる
アジスロマイシンの予防内服は抗菌薬やステロイド治療を要するCOPD急性増悪を抑制する

Clémentine Samson, et al.
Long-term effects of azithromycin in patients with cystic fibrosis
Respiratory Medicine,Volume 117, August 2016, Pages 1–6


背景:
 低用量アジスロマイシンは、嚢胞性線維症(CF)に対して治療開始6~12ヶ月にその重症度への臨床的利益があるとされているが、この治療法が慢性的に用いられるにもかかわらず長期使用の影響はよく分かっていない。この後ろ向き研究は、12ヶ月以上の低用量アジスロマイシンがCFの進行に与える影響を調べることである。

方法:
 われわれの小児医療センターにおいて、低用量アジスロマイシンを12ヶ月以上用いた全てのCF患者を登録した。臨床データはアジスロマイシン治療開始1年前~開始3年後まで抽出された。当該データは、肺機能解析、増悪率、他の抗菌薬の使用、気道の微生物学的定着の変化など。

結果:
 68人の患者が登録された(平均年齢9.95±3.61歳)。12か月後、呼吸器系の増悪数や他の抗菌薬の使用の減少が得られたものの、その後の期間影響が続かず、むしろそれらはその後増えていった。緑膿菌やブドウ球菌といった微生物の定着について、有意な効果はみられなかった。治療6ヶ月時点で、マクロライド耐性化ブドウ球菌が同定され、その後も耐性化は継続した。

結論:
 若年CF患者に対する1年の低用量アジスロマイシンに臨床的利益はない。マクロライド耐性株が出現するということも考慮すると、CF患者の治療にアジスロマイシンを用いることについては再考が必要であろう。


by otowelt | 2016-06-16 00:13 | 呼吸器その他

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