ARDSに対する非侵襲性換気:ヘルメット型インターフェースの方がフェイスマスクより良好なアウトカム

e0156318_11153841.jpg インターフェイスでここまで差が出るのは正直驚きました。

Patel BK, et al.
Effect of Noninvasive Ventilation Delivered by Helmet vs Face Mask on the Rate of Endotracheal Intubation in Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome: A Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2016 May 15. doi: 10.1001/jama.2016.6338. [Epub ahead of print]


背景:
 フェイスマスクによる非侵襲性換気(NIV)は、ARDSの患者の挿管を予防する上で相対的に効果があるとは言いがたい。ヘルメット型インターフェイスによるNIVは、ARDS患者において良好な戦略になるかもしれない。

目的:
 ヘルメット型インターフェイスがARDS患者の相関率を改善するかどうか調べること。

方法:
 単施設(シカゴ大学病院ICU)のランダム化比較試験で、ARDS患者83人を登録し、フェイスマスクによるNIVを少なくとも8時間必要としている者を登録。
 患者はこのままフェイスマスイクを継続する群とヘルメット型インターフェイスに変更する群にランダムに割り付けられた。当初206人(各群103人ずつ)の予定としたが、ヘルメット型インターフェイス群で良好な結果が出ており、試験は早期終了となった。
 プライマリアウトカムは挿管率とした。セカンダリアウトカムとして28日侵襲性換気非実施日数、ICU在室日数、入院期間、院内死亡率、90日死亡率を設定。

結果:
 83人(45%が女性、年齢中央値59歳、APACHE IIスコア中央値26)が解析に組み込まれた(試験早期中止)。挿管率はフェイスマスク群で61.5%(24人)、ヘルメット型インターフェイス群で18.2%(8人)だった(絶対差-43.3%; 95%信頼区間-62.4% to -24.3%; P < .001)。人工呼吸器非装着日数は、ヘルメット型インターフェイス群で有意に延長した(28日 vs 12.5日、 P < .001)。90日時点で、ヘルメット型インターフェイス群の15人(34.1%)が死亡、フェイスマスク群の22人(56.4%)が死亡した(絶対差-22.3%; 95% 信頼区間-43.3 to -1.4; P = .02)。インターフェイス関連皮膚潰瘍を含む有害事象には両群ともに観察された(フェイスマスク群:鼻潰瘍7.6%、 ヘルメット型インターフェイス群:首潰瘍6.8%)。
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(文献より引用:Figure2)

結論:
 ARDS患者において、ヘルメット型インターフェースを用いたNIV管理は有意に挿管率を低下させた。これにより、90日死亡率も有意に改善した。多施設共同研究によってこの知見を確かなものとする必要があろう。


by otowelt | 2016-06-08 00:54 | 集中治療

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