BCGを接種した小児ではツベルクリン反応の特異度が下がる

e0156318_1723467.jpg BCG接種小児では、ツベルクリン反応5mmというカットオフ値は特異度が低くなる可能性があるようです。

James A Seddon, et al.
The impact of BCG vaccination on tuberculin skin test responses in children is age dependent: evidence to be considered when screening children for tuberculosis infection
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207687


背景および目的:
 結核曝露後、接触者は潜在性結核感染症治療対象かどうかスクリーニングされる。イギリスでは、年齢やBCG接種歴を問わず、ツベルクリン反応(TST)5mmがそのカットオフ値として用いられている。われわれは、結核曝露後のイギリス小児におけるTSTにBCG接種が与える影響を調べた。また、異なるTSTカットオフ値でIGRA陽性の予測パフォーマンスを調べた。

方法:
 15歳未満の小児がイギリスの11施設から登録された。2011年1月から2014年12月までに、家族に喀痰あるいは培養陽性の結核患者がいるものを適格者とした。患者背景が抽出され、TST、IGRAが実施された。IGRA陰性小児において、BCG接種がTST陽性に与える影響を評価した。また、異なるTSTカットオフ値においてIGRA陽性を予測するパフォーマンスを調べた。

結果:
 422人の小児が登録された(年齢中央値69ヶ月、IQR32-113ヶ月)。そのうち300人(71%)がBCG接種歴があった。BCG接種は5歳未満のIGRA陰性小児においてTST反応性に影響を与えた。BCG非接種小児において5mmのカットオフ値は良好な感度と特異度であったが、BCG接種小児では特異度が阻害された(62.7%; 95%信頼区間56.1% to 69.0%)。BCG接種小児では、10mmのカットオフ値にすると高い陰性適中率(97.7%; 95%信頼区間94.2% to 99.4%)が得られた。

結論:
 BCG接種は5歳以上の小児ではTST反応性に影響をほとんど与えない。5mmのカットオフ値は良好な感度であるものの、BCG接種小児では特異度が阻害される。


by otowelt | 2016-07-14 00:07 | 抗酸菌感染症

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