大気汚染物質への曝露は肺癌の生存期間に不利益

e0156318_13261090.jpg 数値だけみると、PM2.5の影響が大きいようにも見えますね。

Sandrah P Eckel, et al.
Air pollution affects lung cancer survival
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207927


背景:
 大気汚染への曝露は肺癌の頻度や死亡率を上昇させるとされているが、その致命率の高さから、大気汚染が診断後の生存に与える影響についてはよく分かっていない。この研究は、大気汚染物質への曝露が肺癌患者の生存と関連するかどうか調べたものである。

方法:
 カリフォルニア癌レジストリーにおいて1988~2009年の間に新規に肺癌と診断された352053人の患者が登録された。平均居住大気汚染濃度を追跡期間で調査っした。Cox比例ハザードモデルを用いて、地域ごとの大気汚染が肺癌の総死亡および病期ごと・組織別の死亡と関連しているかどうかハザード比を算出して調べた。

結果:
 組織および潜在的交絡因子によって補正すると、局所型の肺癌では、NO2、O3、PM10、PM2.5が1SD増加するごとにハザード比はそれぞれ1.30(95%信頼区間1.28-1.32)、1.04(95%信頼区間1.02-1.05)、1.26(95%信頼区間1.25-1.28)、1.38(95%信頼区間1.35-1.41)となった。進行病期では補正ハザード比は小さくなり、組織型や細かい病期ごとに差がみられた。もっとも影響を強く受けたのは、早期非小細胞肺癌患者で、特に腺癌の患者だった。

結論:
 肺癌診断後の大気汚染曝露が生存期間を短縮するという疫学的仮説が支持された。曝露を減少させることによる影響も、今後評価するべきである。


by otowelt | 2016-08-16 00:11 | 肺癌・その他腫瘍

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