CheckMate-032試験:既治療小細胞肺癌に対するニボルマブ+イピリムマブの有用性

e0156318_8501268.jpg CheckMate-026試験で巷はにぎわっていますが、今日は敢えてCheckMate-032試験を読みました。

Antonia SJ et al.
Nivolumab alone and nivolumab plus ipilimumab in recurrent small-cell lung cancer (CheckMate 032): a multicentre, open-label, phase 1/2 trial.
Lancet Oncol. 2016 Jul;17(7):883-95.


背景:
 プラチナベースの抗癌剤投与後に病勢進行した小細胞肺癌(SCLC)の治療は限られている。過去に1レジメン以上の治療で病勢進行したSCLCに対するニボルマブおよびニボルマブ+イピリムマブの安全性と効果について検証した。

方法:
 第I/II相試験として、6ヶ国23施設が参加したオープンラベル試験である。適格基準は、18歳以上のLD-SCLCあるいはED-SCLCで、少なくとも過去にプラチナベースの抗癌剤治療を1レジメン以上実施され病勢進行を認めた患者とした。患者はニボルマブ(3mg/kg点滴)を2週ごとを病勢進行あるいは毒性に耐えられなくなるまで投与される群か、ニボルマブ+イピリムマブ(1mg/kg+1mg/kg[安全性用量漸増]、1mg/kg+3mg/kg、3mg/kg+1mg/kg点滴)を3週ごと4サイクル投与されその後ニボルマブ3mg/kgを2週に投与される群に割り付けられた。プライマリエンドポイントは各医師評価による奏効率である。
 この試験は現在進行形であるが、中間解析結果を報告することとした。

結果:
 2013年11月18日から2015年7月28日までに合計216人が登録された(98人:ニボルマブ3mg/kg、3人:ニボルマブ1mg/kg+イピリムマブ1mg/kg、61人:同1mg/kg+3mg/kg、54人:同3mg/kg+1mg/kg)。患者の観察期間中央値はそれぞれ198.5日、302日、361日、260.5日だった。
 客観的奏効率はニボルマブ単剤群10%、ニボルマブ1mg/kg+イピリムマブ1mg/kg群33%、同1mg/kg+3mg/kg群23%、同3mg/kg+1mg/kg19%だった。グレード3あるいは4の有害事象は、ニボルマブ単剤群13%、ニボルマブ1mg/kg+イピリムマブ3mg/kg群30%、ニボルマブ3mg/kg+イピリムマブ1mg/kg群19%にみられ、頻度が高いものとしてリパーゼ上昇、下痢があった。
 毒性による治療中止は、ニボルマブ単剤群6%、ニボルマブ1mg/kg+イピリムマブ3mg/kg群11%、ニボルマブ3mg/kg+イピリムマブ1mg/kg群7%だった。ニボルマブ1mg/kg+イピリムマブ3mg/kg群のうち2人に治療関連死がみられた(重症筋無力症、腎不全)。また、ニボルマブ3mg/kg+イピリムマブ1mg/kgでも肺臓炎による死亡があった。

結論:
 既治療のSCLCに対するニボルマブとニボルマブ+イピリムマブは抗腫瘍効果があり、長期奏効を維持でき、毒性は対処可能であることがわかった。さらなる第III相試験で評価することを支持する研究結果であった。


by otowelt | 2016-08-10 00:34 | 肺癌・その他腫瘍

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