進展型小細胞肺癌に対する化学療法にイピリムマブを追加しても生存期間は延長しない

e0156318_12481476.jpg CheckMate-032試験からの流れで、こちらの論文も読みました。長い・・・。

Reck M, et al.
Phase III Randomized Trial of Ipilimumab Plus Etoposide and Platinum Versus Placebo Plus Etoposide and Platinum in Extensive-Stage Small-Cell Lung Cancer.
J Clin Oncol. 2016 Jul 25. pii: JCO676601. [Epub ahead of print]


目的:
 進展型小細胞肺癌(ED-SCLC)はプラチナ製剤+エトポシドによる化学療法をおこなっても生存期間が短い。このランダム化第III相試験において、新規にED-SCLCと診断された患者に対するプラチナ製剤+エトポシドにイピリムマブを追加する群あるいはプラセボを追加にする群を比較し、効果と安全性について検討した。

方法:
 登録患者はランダムに1:1にプラチナ製剤+エトポシドにイピリムマブ10mg/kgあるいはプラセボを3週おきに投与する群に割り付けられた(化学療法は4コース、イピリムマブまたはプラセボは3サイクルから6サイクルに投与開始され、維持療法として12週ごとの投与)。プライマリエンドポイントは少なくとも1回でも試験薬治療を受けた患者の全生存期間(OS)とした。

結果:
 1132人が登録され、954人が少なくとも1回の治療を受けた(化学療法+イピリムマブ群:478人、化学療法+プラセボ:476人)。OS中央値は化学療法+プラセボ群11.0ヶ月、化学療法+イピリムマブ群10.9ヶ月だった(ハザード比0.94、95%信頼区間0.81-0.97、P=0.3775)。無増悪生存期間中央値はそれぞれ4.6ヶ月、4.4ヶ月だった(ハザード比0.85、95%信頼区間0.75-0.97)。
 治療関連有害事象は両群同等であったが、下痢、皮疹、大腸炎は化学療法+イピリムマブ群に有意に多かった。治療毒性関連の治療中止は化学療法+イピリムマブ群に多くみられた(18% vs 2%)。化学療法+イピリムマブ群で5人、化学療法+プラセボ群で2人の治療関連死が観察された。

結論:
 ED-SCLCに対して、プラチナ製剤にイピリムマブを投与しても生存期間の延長はみられなかった。現在進行しているPD-1抗体とイピリムマブの併用試験によってさらに評価されるであろう。


by otowelt | 2016-08-12 00:03

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