VESTRI試験:ICS/LABA合剤の重症喘息関連イベントリスクはICS単独と同等

e0156318_1637713.jpg  小児における、ICS/LABAとICSの重症喘息関連イベントのリスクの差をみた研究です。かなり大規模な研究ですね。

David A. Stempel, et al.
Safety of Adding Salmeterol to Fluticasone Propionate in Children with Asthma
N Engl J Med 2016; 375:840-849


背景:
 長時間作用性β刺激薬(LABA)は、成人の喘息死リスクおよび小児の喘息入院リスクを増加させることがわかっている。吸入ステロイド薬(ICS)と LABA を併用することで、これらリスクが軽減するかどうかは現時点で不明である。この研究では、小児を対象としてフルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールの固定用量合剤の安全性を前向きに調べた。

方法:
 喘息に対して連日の治療を要し、過去1年間に喘息発作の既往を有する4~11歳の小児を、26週間のフルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロール吸入群とフルチカゾン吸入群に、1:1にランダムに割り付けた。プライマリ安全性エンドポイントは、重篤な喘息関連イベント(死亡、気管挿管、入院)の発生とし、time-to-event解析で評価した。プライマリ安全性エンドポイントのハザード比における95%信頼区間上限が2.675を下回る場合を非劣性と定義した。プライマリ有効性エンドポイントは、全身性ステロイド治療を要する重症喘息発作の発生とし、これもtime-to-event解析で評価した。

結果:
 合計6208人のうち、合剤群27人とフルチカゾン単独群21人に、重篤な喘息関連イベントが生じた。合剤群のフルチカゾン群に対するハザード比は1.28(95%信頼区間0.73-2.27)で、合剤の非劣性が示された(P=0.006)。また、重症の喘息発作は合剤群265人(8.5%)、フルチカゾン群309人(10.0%)で観察された(ハザード比0.86、95%信頼区間0.73-1.01)。

結論:
 喘息の小児を対象としたVESTRI試験において、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールの合剤は、重篤な喘息関連イベントのリスクに関連していたが、そのリスクはフルチカゾン単独治療と同程度だった。


by otowelt | 2016-09-02 00:59 | 気管支喘息・COPD

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