CHESTガイドライン:成人の胃食道逆流による慢性咳嗽

e0156318_2333523.jpg GERDによる咳嗽にPPI単独では利益が無いと明言されました。裏を返せば、さほど慢性咳嗽に対するパワーは強くないというパネリストのコンセンサスの表れかと思います。

Peter J. Kahrilas, et al.
Chronic Cough due to Gastroesophageal Reflux in Adults: CHEST Guideline and Expert Panel Report
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.08.1458


背景:
 胃食道逆流による咳嗽(reflux-cough syndrome)の2006年ACCPガイドラインをアップデートした。

方法:
 2つの観点でシステマティックレビューを実施した。①成人の慢性および遷延性咳嗽において、GERに対する治療によって咳嗽を改善させたり根治することができるのか?②GERに対する治療に反応しやすい慢性咳嗽を同定するための臨床基準はあるか?

結果:
 どちらの問題に対しても良質な研究は同定できなかった。ランダム化比較試験から考察するに、①の問題に対しては1)咳嗽の改善には強いプラセボ効果がみられること、2)食事の工夫や減量は咳嗽アウトカムを改善させる効果があること、3)ライフスタイルの工夫や減量はreflux-cough syndromeが疑われる例に利益があるかもしれない一方でPPIは単独使用では利益が示せないこと、4)潜在的な持ち越し効果のため、PPIを用いたクロスオーバー試験は避けるべきであること、が結論づけられた。

※先に介入群に割り付けられた場合、次に対照群に割り付けられた際当該介入の影響が残っていること。

 観察研究から考察するに、②の問題に対しては、1)アルゴリズムアプローチによって82~100%の例で慢性咳嗽の解決がみられること、2)咳喘息および鼻副鼻腔由来の上気道咳症候群(UACS)がもっともよくみられる原因であること、3)reflux-cough syndromeの頻度は報告により幅広く差がみられること、が結論づけられた。


by otowelt | 2016-09-29 00:05 | 呼吸器その他

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