TRILOGY試験:COPDに対するトリプル吸入療法は症状を改善しないが肺機能に利益

e0156318_10134879.jpg 言わずと知れたTRILOGY試験について。これはChiesi Farmaceutici SpA社の助成を受けている研究です。

Dave Singh, et al.
Single inhaler triple therapy versus inhaled corticosteroid plus long-acting β2-agonist therapy for chronic obstructive pulmonary disease (TRILOGY): a double-blind, parallel group, randomised controlled trial
Lancet, Volume 388, No. 10048, p963–973, 3 September 2016


背景:
 COPDに対するトリプル吸入療法(2種類の長時間作用性気管支拡張薬[LAMA, LABA]と吸入ステロイド薬[ICS])の効果に関する有用なデータは少ない。われわれは、1つの吸入デバイスで3剤(ベクロメタゾン++グリコピロニウム)(BDP/FF/GB)を吸入する治療と、BDP/FFの2剤を吸入する治療を比較した。

方法:
 このTRILOGY試験は、14ヶ国159施設で実施されたランダム化並行群間二重盲検試験である。これら施設は一次~三次医療機関まで幅広く組み込まれた。登録されたCOPD患者は気管支拡張後1秒量が50%未満で、過去12ヶ月の間に1回以上の中等症~重症COPD増悪を経験しており、CATスコアが10点以上で、BDI focalスコアが10点以下のものとした。また、ICS+LABA、ICS+LAMA、LABA+LAMA、LAMAによる2ヶ月以上の治療歴があることを条件とした。 
 登録患者は、2週間の導入期間(run-in period)においてBDP/FF(100μg/6μg 1日2回)の投与を受けた後、BDP/FF/GB(100μg/6μg/12.5μg 1日2回)のトリプル吸入療法にステップアップする群またはBDP/FF(100μg/6μg 1日2回)の2剤治療を維持する群にランダムに割り付けられ、52週治療が継続された(いずれもpMDIで吸入)。
 吸入前1秒量、吸入2時間後1秒量、TDI focalスコアの3つの複合プライマリエンドポイントによって26週時点で評価された。セカンダリエンドポイントとして、52週時点での中等症~重症のCOPD増悪の割合などを設定した。

結果:
 2015年3月21日から2016年1月14日までの間、1368人の患者がBDP/FF/GB群(687人)、BDP/FF群(681人)のいずれかに割り付けられた。26週時点で、BDP/FF/GB群ではBDP/FF群と比較して吸入前1秒量が0.081L(95%信頼区間0.052-0.109、p<0.001)、吸入2時間後1秒量が0.117L(95%信頼区間0.086-0.147、p<0.001)改善した。26週時点での平均TDI focalスコアはBDP/FF/GB群1.71点、BDP/FF群1.50点で、差は0.21点で有意差はみられなかった(p=0.160)。年間の中等症~重症増悪の頻度はBDP/FF/GB群0.41、BDP/FF群0.53と23%少なかった(率比0.77、95%信頼区間0.65-0.92、p=0.005)。有害事象はBDP/FF/GB群で368人(54%)、BDP/FF群の379人(56%)で観察された。BDP/FF/GB群で重篤な治療関連有害事象(心房細動)がみられた。

結論:
 COPD患者におけるICS/LABA治療からトリプル吸入療法にステップアップすることの臨床的利益を示した。


by otowelt | 2016-09-22 00:39 | 気管支喘息・COPD

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