ACOS診断に炎症性バイオマーカーは有用

e0156318_125953.jpg IJCOPDのACOS論文を続けて紹介します。

Kobayashi S, et al.
Inflammatory biomarkers in asthma-COPD overlap syndrome.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2016 Sep 7;11:2117-2123.


背景:
 喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)の臨床的フェノタイプと基礎メカニズムについては議論の余地がある。この研究は、外来COPD患者コホートにおいてCOPD患者とACOS患者を炎症性バイオマーカーに焦点を当てて比較したものである。

方法:
 この横断研究では、前向きに石巻COPDレジストリからデータが収集された。全ての患者はスパイロメトリーを用いてCOPDと診断された40~90歳の既往喫煙者である。変動する呼吸器症状があり気流閉塞の変動がみられる喘息の特徴を持つ患者をACOSと定義した。また、FeNO、血中好酸球、総IgE、抗原特異的IgE抗体といった炎症性バイオマーカーも測定された。

結果:
 257人のCOPD患者が同定され、37人(14.4%)がACOSと診断された。ACOS患者は若く、喫煙歴が短く、呼吸器系薬剤(吸入ステロイド薬やテオフィリン)を使用している傾向にあった。平均FeNOはACOSのないCOPD患者よりもACOS患者の方が高かった(38.5 ppb vs 20.3 ppb, P<0.001)。血中好酸球数および比率はACOS患者で有意に上昇していた(295/mm3 vs 212/mm3, P=0.032; 4.7% vs 3.2%, P=0.003)。総IgEおよび抗原特異的IgEの存在はACOS患者で有意に多かった。いずれのバイオマーカーも感度・特異度は低かったが、これらのバイオマーカーを組み合わせることでACOS診断に高い特異度が得られた。

結論:
 この研究により、炎症性バイオマーカーを用いるとACOS診断が支持される可能性があることが分かった。


by otowelt | 2016-10-05 00:26 | 気管支喘息・COPD

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