早産児の呼吸困難に対するネーザルハイフローはCPAPより治療失敗率が高い

e0156318_13512197.jpg Pediatricsのメタアナリシスでは経鼻高流量酸素療法とNPPVでは差はなかったと結論づけられていました(Pediatrics. 2015 Sep;136(3):542-53)。コクランレビューでは、鼻の皮膚障害や気胸が少ない点がメリットであると述べられていました(Cochrane Database Syst Rev. 2016 Feb 22;2:CD006405.)。

Calum T. Roberts, et al.
Nasal High-Flow Therapy for Primary Respiratory Support in Preterm Infants
N Engl J Med 2016; 375:1142-1151


背景:
 経鼻高流量酸素療法は、新生児の抜管後呼吸補助として用いた場合、CPAP療法と有効性が同等であることが示されている。しかし、呼吸困難のある呈する早産児に対する一次呼吸補助としての有効性は明らかでない。

方法:
 国際多施設共同ランダム化非劣性試験において、出生後早期に呼吸困難を発症しサーファクタント補充療法を受けていない早産児564人(在胎28週0日以上)を、経鼻高流量酸素療法を行う群と、経鼻CPAP療法を行う群にランダムに割り付けた。プライマリアウトカムはランダム化後72時間以内の治療失敗と定めた。非劣性判定は、プライマリアウトカムのリスク絶対差を算出し非劣性マージンを10%ポイントとした。高流量酸素療法が失敗した新生児にはレスキュー目的でのCPAPを適用することとし、同治療が失敗した新生児には挿管・人工呼吸管理をおこなった。

結果:
 プライマリアウトカムに有意差が認められたため、安全性モニタリング委員会の勧告に従い試験登録を早期中止した。治療失敗は、経鼻高流量酸素療法群278人中71人(25.5%)、経鼻CPAP群286人中38人(13.3%)で発生した(リスク差12.3%ポイント、95%信頼区間5.8~18.7、P<0.001)(経鼻高流量酸素療法群の方が治療失敗が有意に多かった)。72 時間以内の挿管率に群間差はなかった(それぞれ15.5%、11.5%、リスク差3.9%ポイント、95%信頼区間-1.7~9.6、P=0.17)。有害事象の発現率にも有意差はなかった。

結論:
 呼吸困難を呈する早産児の一次呼吸補助に経鼻高流量酸素療法を用いることは、経鼻CPAPよりも治療失敗率が高くなったため、試験は早期中止された。


by otowelt | 2016-10-06 00:34 | 呼吸器その他

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