INPULSIS試験層別化解析:ニンテダニブは肺機能が保たれたIPFに対しても有効

e0156318_7331272.jpg ATS2015で発表されたものが論文化されました。

Kolb M, et al.
Nintedanib in patients with idiopathic pulmonary fibrosis and preserved lung volume.
Thorax. 2016 Sep 26. pii: thoraxjnl-2016-208710. doi: 10.1136/thoraxjnl-2016-208710. [Epub ahead of print]


背景:
 IPFの治療をいつ開始するかコンセンサスはない。肺機能が保たれた患者では治療を導入しない方がよいとする内科医もいる。

目的:
 IPF患者のうち、肺機能が保たれた例が肺機能が障害された例と同等の利益がニンテダニブから得られるかどうか調べること。

方法:
 INPULSIS試験に登録された患者のうち、努力性肺活量(%FVC)が90%を超えていた274人(ニンテダニブ166人、プラセボ108人)、%FVCが90%以下であった787人(ニンテダニブ472人、プラセボ315人)に分けて解析をおこなった。

結果:
 %FVCが90%を超えていた群の平均年齢は67.9歳、71.5%が男性、54%が白人、平均DLCOは52.6%だった。
 プラセボで治療を受けた患者において、補正年間FVC減少は%FVC90%超群と90%以下群で同等だった(それぞれ-224.6 mL/年、-223.6 mL/年)。ベースラインの%FVCが90%超および90%以下の患者において、ニンテダニブによる補正年間FVC減少はそれぞれ-91.5mL/年(プラセボとの差133.1/年、95%信頼区間68.0-198.2)、-121.5mL/年(プラセボとの差102.1mL/年、95%信頼区間61.9-142.3)。
 ニンテダニブによる有害事象は両群同等だった。

結論:
 この解析により、軽度の肺機能障害を有するIPF患者に対してもニンテダニブはFVC減少を軽減する効果があると考えられた。


by otowelt | 2016-10-13 00:22 | びまん性肺疾患

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