終末期IPF患者の意思決定は遅れがちで、不必要に検査・治療されがち

e0156318_1543237.jpg ひどい場合、死の直前まで血糖測定とインスリンスライディングスケールが指示されていることもあります。糖尿病を有している患者さんの場合、高血糖による死亡を避けるという大義のもと、決して間違いではないのでしょうが・・・。私はなんだか違和感を感じるのです。

Rajala K, et al.
End-of-life care of patients with idiopathic pulmonary fibrosis.
BMC Palliat Care. 2016 Oct 12;15(1):85.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は生存期間の中央値が2~7年の進行性の疾患である。緩和ケアは、大部分の患者が肺移植の適用とならないがゆえに、患者ケアの重要な位置を占める。この研究の目的は治療プラクティス、意思決定、IPFの終末期ケアにおける症状を記述したものである。

方法:
 59人の患者をIPFコホート(FinnishIPF)から登録した。そして、死亡前6ヶ月の診療録記載を後ろ向きに解析した。

結果:
 47人(80%)の死亡場所が病院だった。ほとんどの患者(93%)は、終末期6ヶ月のうち平均30日入院していた(1-96日)。終末期の意思決定およびDNRオーダーはそれぞれ19人(32%)、34人(57%)の患者で明示されていたが、22人(42%)は死亡3日以内に決定された。死亡日の時点で、抗菌薬は79%に投与されており、非侵襲的換気は36%の患者に実施されていた。死亡24時間以内では、放射線学的検査あるいは血液検査などの生化学的検査はそれぞれ19%、53%の患者におこなわれていた。こういった終末期の検査や延命治療はより高度な病院でよく行われていた。全体的に、呼吸困難感(66%)、疼痛(31%)がもっともよくみられた症状だった。最終週~死亡までの間で、オピオイドは71%の患者に投与されていた。

結論:
 ほとんどのIPF患者は、延命的な処置を実施しやすい病院で死亡していた。オピオイドは症状緩和のために頻繁に使用されているものの、終末期意思決定は極めて遅いことが分かった。早期の緩和ケア介入とプランによって死にゆくIPF患者の終末期ケアを改善させることができるかもしれない。


by otowelt | 2016-10-28 00:17 | びまん性肺疾患

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