KEYNOTE-021試験:進行非扁平上皮非小細胞癌の一次治療においてプラチナ併用療法+キイトルーダ®は有効

e0156318_9555458.jpg KEYNOTE-024試験の興奮さめやらぬ中、KEYNOTE-021試験が論文化です。既知の知見です。
 第III相試験のKEYNOTE-189(Study of Platinum+Pemetrexed Chemotherapy With or Without Pembrolizumab (MK-3475) in Participants With First Line Metastatic Non-squamous Non-small Cell Lung Cancer (MK-3475-189/KEYNOTE-189))(同レジメン)、KEYNOTE-407(A Study of Carboplatin-Paclitaxel/Nab-Paclitaxel Chemotherapy With or Without Pembrolizumab (MK-3475) in Adults With First Line Metastatic Squamous Non-small Cell Lung Cancer (MK-3475-407/KEYNOTE-407))(カルボプラチン+パクリタキセルorアブラキサン®)の結果次第でオプジーボ®を引き離すか。

Langer CJ et al.
Carboplatin and pemetrexed with or without pembrolizumab for advanced, non-squamous non-small-cell lung cancer: a randomised, phase 2 cohort of the open-label KEYNOTE-021 study.
Lancet Oncol. 2016 Oct 10. pii: S1470-2045


背景:
 進行非扁平上皮非小細胞肺癌の一次治療では、プラチナ併用療法にもう一剤追加するエビデンスは限られている。抗PD-1抗体であるペムブロリズマブは単剤で進行非扁平上皮非小細胞肺癌に効果があり、毒性プロファイルは化学療法と重複しないことが分かっている。本研究ではプラチナ併用療法にペムブロリズマブを上乗せする効果について評価した。

方法:
 このオープンラベルphaseII試験(KEYNOTE-021)はアメリカと台湾の26施設が参加して実施された。患者はIIIBまたはIVの非扁平上皮非小細胞肺癌でEGFR遺伝子変異、ALK変異が陰性のものである。腫瘍細胞のPD-L1発現(1%未満、1%以上)で層別化され、ランダムに1:1に割り付けられた。治療群は、ペムブロリズマブ200mgをカルボプラチン(AUC5)+ペメトレキセド500mg/m2を3週ごとに4サイクル投与し、その後24ヶ月間ペムブロリズマブで維持療法を行う群と、カルボプラチン+ペメトレキセド4サイクル後ペメトレキセド維持療法を行う群である。プライマリエンドポイントはITT集団での奏効率で、独立判定委員会によって評価された。片側P<0.025を有意とし、安全性評価は治療を一度でも受けたものを治療群ごとに検討した。

結果:
 2014年~2016年に123人が登録され、60人がペムブロリズマブ+化学療法群、63人が化学療法群に割り付けられた。ペムブロリズマブ+化学療法群では33人(55%、95%信頼区間42-68)が奏効し、化学療法のみでは18人(29%、95%信頼区間18-41)が奏効した(治療差26%[95%信頼区間9-42% ],P=0.0016)。
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(文献より引用:腫瘍径)

 無増悪生存期間(PFS)は、ペムブロリズマブ+化学療法群13.0ヶ月(95%信頼区間8.3-未到達) vs 化学療法群8.9ヶ月(95%信頼区間4.4–10.3)だった(ハザード比は0.53、95%信頼区間0.31-0.91、p=0.0102)。全生存期間(OS)はクロスオーバーの効果があったため有意差はなし(ハザード比0.90、95%信頼区間0.42–1.91)。
 グレード3以上の有害事象は両群とも同等でそれぞれ39%、26%だった。なかでもよく見られたものは、ペムブロリズマブ+化学療法群で貧血(12%)、好中球減少(5%)がみられ、その他2%ずつに急性腎障害、リンパ球減少、疲労感、好中球減少、敗血症、血小板減少がみられた。化学療法群は貧血(15%)、好中球減少、汎血球減少、血小板減少がみられた。治療関連死亡はペムブロリズマブ+化学療法で敗血症によるものが1人(2%)おり、化学療法群でも2人(3%)が敗血症・汎血球減少により死亡した。
 
結論:
 進行非扁平上皮非小細胞肺癌の一次治療として、カルボプラチン+ペメトレキセドにペムブロリズマブを上乗せする治療は効果があり、忍容性があった。この結果は現在進行中のランダム化第III相試験でさらに検討されるべきであろう。


by otowelt | 2016-10-27 00:51 | 肺癌・その他腫瘍

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