胸膜癒着術のシステマティックレビュー

e0156318_13585789.jpg ランダム化比較試験が少ないようですね。

Hallifax RJ, et al.
Effectiveness of chemical pleurodesis in spontaneous pneumothorax recurrence prevention: a systematic review.
Thorax. 2016 Nov 1. pii: thoraxjnl-2015-207967.


目的:
 自然気胸はよくみられる病態である。国際的なガイドラインでは、改善しないエアリークあるいは再発予防のための胸膜癒着術が推奨されている。この研究では、過去の文献により胸膜癒着術の効果を総括した。

方法:
 妥当なランダム化比較試験、症例対照研究、ケースシリーズを同定し、システマティックにレビューした。再発率またはオッズ比(コントロール群が設定されている研究)を集計した。異質性が高く、メタアナリシスは実施しなかった。

結果:
 560の文献が同定され、50が適格基準を満たした。
 胸腔ドレーンのみで管理された患者の再発率は26.1~50.1%だった。
 胸腔鏡下タルク散布法(poudrage法)(4研究249人)は再発率が2.5%~10.2%で、胸腔ドレナージ単独と比較したランダム化比較試験ではオッズ比0.10であった。
 VATS中にタルク投与を行った場合(8研究2324人)、再発率は0.0%~3.2%だったが、ブラ・ブレブ切除術と比較したランダム化比較試験では有意な差はみられなかった。
 ミノサイクリンはVATS後のそれと同等の効果が得られた(再発率0.0~2.9%)。胸腔ドレーンを介したテトラサイクリンの投与による遷延性のエアリークおよび再発予防効果は、再発率が高く13.0~33.3%で、自己血パッチ胸膜癒着術(270人)は15.6~18.2%だった。

結論:
 外科治療後あるいは胸腔鏡を通した胸膜癒着術がもっとも効果的である。いずれの癒着剤の成功率も限られたデータしかないのが現状である。

by otowelt | 2016-11-24 00:08 | 呼吸器その他

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