免疫チェックポイント阻害剤によるhyperprogressive disease(HPD)

e0156318_12291546.jpg 多くの臨床家が指摘していることが、論文化されました。

Champiat S et al.
Hyperprogressive disease (HPD) is a new pattern of progression in cancer patients treated by anti-PD-1/PD-L1.
Clin Cancer Res. 2016 Nov 8. [Epub ahead of print]


背景・目的:
 免疫チェックポイント阻害剤はがん患者の治療に一石を投じている一方で、当該薬剤による急速な腫瘍増大(hyperprogressive diseaseあるいはHPD)が報告されており、その潜在的な悪影響が示唆されている。PD-1/PD-L1抗体によって治療されたがん患者におけるHPDの頻度、自然経過、予測因子についてはまだ分かっていない。

方法:
 本研究は、フランスGustave Roussy癌センターでのPD-1/PD-L1抗体の第1相試験における全患者(218人)の診療録を抽出した研究である。腫瘍増大率(TGR)を治療前(REFERENCE)、治療後(EXPERIMENTAL)の間で算出した。TGRと臨床病理学的背景、全生存期間(OS)を比較した。
 対象疾患のうち、肺癌は全体の約10%である。

結果:
 HPDは、RECISTでの初回評価がPDであって、TGRが治療前後で2倍以上になったものと定義された。131人の患者のうち、12人(9%)がHPDと考えられた。HPDはベースラインの腫瘍の大きさや病理組織型とは関連していなかった。PDの時点で、HPDを示した患者では非HPD患者と比較して新規病変が少なかった(p<0.05)。HPDは高齢(p<0.05)、OS不良と関係した。興味深いことに、治療前TGRは抗PD-1/PD-L1治療の奏効と逆相関を示した(p<0.05)。
 腫瘍細胞がPD-L1陽性かどうかはHPDとは関連していなかった。

結論:
 本研究から、抗PD-1/PD-L1治療をした患者の一部に急速な増悪(HPD)があることが示された。このことは高齢患者(65歳超)の抗PD-1/PD-L1単剤治療に懸念が示される。

by otowelt | 2016-11-18 00:38 | 肺癌・その他腫瘍

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