胸膜の炎症に対するMCP-1の役割

e0156318_10101326.jpg 膿胸に対する外科手術回避効果、という夢のような効果まであったら・・・と思わずにいられません。

Sally M. Lansley, et al.
Role of MCP-1 in pleural effusion development in a carrageenan-induced murine model of pleurisy
Respirology, DOI: 10.1111/resp.12951


背景および目的:
 滲出性胸水は1年間に100万人あたり1500人に発生する。胸膜の滲出性変化の病態生理はいまだによくわかっていない。われわれの近年の研究で、MCP-1がキードライバーになることを示し、また他の研究で悪性胸水に対する発現を報告した。今回の研究では、MCP-1がマウスの急性胸膜炎モデルに対する胸水貯留にどのような役割を持つか調べた。

方法:
 λ-カラギーナン(CAR)がCD1マウスの胸腔に注入され、16時間後の胸水量を測定した。胸水および血清MCP-1濃度を測定した。マウスは腹腔内①抗MCP-1抗体あるいはアイソタイプコントロール、②MCP-1受容体(CCR2)アンタゴニストあるいはコントロールをCAR注入12時間前あるいは注入時に治療された。

結果:
 胸膜内CARは有意に4時間後の胸水貯留と関連していた(300.0 ± 49.9 μL)。胸水中MCP-1濃度は血清MCP-1よりも有意に高かった(144603 ± 23204 pg/mL vs 3703 ± 801 pg/mL, P < 0.0001)。いずれの抗MCP-1抗体治療においても有意な胸水貯留減少が観察された。(中央値(IQR): 36 (0–168) μL vs コントロール290 (70–436) μL; P = 0.02)、これはCCR2アンタゴニストについても同様であった(153 (30–222) μL vs コントロール240 (151–331) μL, P = 0.0049)。

結論:
 CARモデルにおいてMCP-1活動性を阻害することで胸水の炎症を減弱させることができる。この結果は、胸水の炎症性変化に対するMCP-1アンタゴニストの臨床的評価の妥当性を示すものである。

by otowelt | 2016-12-07 00:02 | 呼吸器その他

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