コントロール不良の糖尿病は肺結核の微生物学的アウトカム悪化の独立リスク因子

e0156318_9552565.jpg  当たり前のことだと思われがちですが、意外に研究が少なかったようです。

Yoon YS, et al.
The effect of diabetes control status on treatment response in pulmonary tuberculosis: a prospective study.
Thorax. 2017 Mar;72(3):263-270.


背景:
 コントロール不良の糖尿病は、コントロール良好の場合と比べて免疫応答が障害されている。しかしながら、糖尿病コントロールが肺結核患者の治療アウトカムに与える影響についてはよく知られていない。われわれは、糖尿病コントロールが肺結核治療反応性に与える影響を評価した。

方法:
 多施設共同前向き研究が2012年9月から2014年9月までの間におこなわれた。患者はHbA1cによって3群に層別化された。すなわち、糖尿病のない肺結核患者、コントロール良好な糖尿病のある肺結核患者、コントロール不良な糖尿病のある肺結核患者、の3群である。プライマリアウトカムは、初期強化治療2ヶ月後の喀痰中の結核菌培養陰性化率とした。

結果:
 661人の肺結核患者のうち、157人(23.8%)が糖尿病を有しており、108人(68.8%)がコントロール不良であった(HbA1c7.0%以上)。コントロール不良の糖尿病を有する患者はより症状が強く、喀痰結核菌塗抹検査が陽性になりやすく(p<0.001)、空洞を呈しやすかった(p<0.001)。
 治療反応性があっても、コントロール不良の糖尿病を有する患者は非糖尿病患者と比較して2ヶ月後の喀痰結核菌培養検査が陽性になりやすかった(p=0.009)。治療失敗(p=0.015)や死亡(p=0.027)もコントロール不良の糖尿病患者で多く観察された。反面、コントロール良好の患者は非糖尿病患者と同等の治療反応性を呈した。
 多変量解析では、コントロール不良の糖尿病は治療開始2ヶ月後の喀痰結核菌培養検査陽性の独立リスク因子であった(補正オッズ比2.11; p=0.042)。また、治療失敗あるいは死亡の独立リスク因子でもあった(補正オッズ比4.11; p=0.022)。
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(文献より引用:Table3)

結論:
 コントロール不良の糖尿病は、肺結核の治療反応性不良の独立リスク因子である。




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by otowelt | 2017-03-07 00:49 | 抗酸菌感染症

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