小児急性細気管支炎に対する経静脈的マグネシウムには利益なし

e0156318_1432368.jpg 個人的にはそんなに効かないと思っています。2年以上前のコラムですが、どうぞ。

マグネシウムは気管支喘息発作に本当に効果があるのか?

 マグネシウムはカルシウムが平滑筋に流入するのを阻害する役割があるとされています。そのため、気道平滑筋が相対的に弛緩されることで喘息発作や細気管支炎症状が軽減すると考えられてきました。

Khalid Alansari, et al.
Intravenous magnesium sulfate for bronchiolitis: A randomized trial
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.03.002


背景:
 経静脈的マグネシウム投与が重症小児喘息に有効であるかどうか、細気管支炎の患者のサポートケアに当該治療を加えたとき退院の転帰を時間的に短縮する効果があるかどうか、調べた。

方法:
 急性細気管支炎の患者において、100mg/kgの経静脈的マグネシウムとプラセボの単回投与を比較した。気管支拡張治療を受けている患者では、湿疹や喘息家族歴がある場合、ネブライザーの高張生理食塩水および5日間のデキサメタゾンの治療を受けた。退院可能と判断されるまでの期間をプライマリアウトカムとした。細気管支炎重症度スコア、保健室利用や病院入院の必要性、2週間以内のクリニック受診をセカンダリアウトカムとした。安全性アウトカムとして循環呼吸器系の安定性を調べた。

結果:
 162人の健康な新生児が細気管支炎と診断された(生後22日~17.6ヶ月、中央値3.7ヶ月)。その半数が湿疹や喘息の家族歴を有していた。86.4%は鼻咽頭スワブでウイルスが陽性になった。退院可能と判断されるまでの平均時間は、78人のマグネシウム投与を受けた患者では平均24.1時間(95%信頼区間20.0-29.1)、82人のプラセボ投与を受けた患者は25.3時間(95%信頼区間20.3-31.5)だった(比0.95、95%信頼区間0.52-1.80, p=0.91)。
 2群における細気管支炎重症度スコアは同等だった。その後2週間以内のクリニック受診の頻度はそれぞれ33.8%、27.2%で、統計学的には同等であった。15人(19.5%)のマグネシウム患者と5人(6.2%)のプラセボ患者は2週間以内に再入院した(p=0.016)。循環呼吸器系の有害事象は報告されなかった。

結論:
 急性細気管支炎に対する経静脈的マグネシウムは利益をもたらさないだけでなく、有害かもしれない。




by otowelt | 2017-03-30 00:41 | 気管支喘息・COPD

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