肺MAC症の治療は菌陰性化1年を超えても続けるべきか?
2017年 05月 15日
たしかに、スパっと1年でやめると再発することが多いような気がします。
Kadota J, et al.
The clinical efficacy of a clarithromycin-based regimen for Mycobacterium avium complex disease: A nationwide post-marketing study.
J Infect Chemother. 2017 May;23(5):293-300.
背景:
2007年ATS/IDSAステートメントでは、肺MAC症の治療はクラリスロマイシンをベースにした多剤併用治療が推奨されており、菌陰性化から約1年継続するべきとされている。しかしながら、それを裏付けるデータはあまり多くない。われわれの目的は、クラリスロマイシンをベースにしたレジメンの国内臨床アウトカムデータを得ることである。
方法:
日本のガイドラインに準じて患者は組み入れられ、放射線学的あるいは微生物学的検査が行われた。クラリスロマイシン、リファンピシン、エタンブトールの併用レジメン(クラリスロマイシンベースレジメン)を菌陰性化まで継続し、治療は初回陰性から約1年継続された。データは投与前、菌陰性化時、治療終了時、治療終了6ヶ月時に実施された。
結果:
466人の患者のうち、肺MAC症に対してクラリスロマイシン800mg/日を処方されていたのは271人だった。これらの患者の菌陰性化率は94.7%だった。微生物学的再発率は追跡しえた100人中5人(5%)だった。再発は、菌陰性化後治療を15ヶ月未満継続された患者で観察された。薬剤による致死的あるいは重篤な合併症はなかった。
結論:
肺MAC症に対するクラリスロマイシンベースレジメンは高い菌陰性化率を誇る。陰性化の後、15ヶ月未満の治療継続だと、再発を予防するには不十分かもしれない。
Kadota J, et al.
The clinical efficacy of a clarithromycin-based regimen for Mycobacterium avium complex disease: A nationwide post-marketing study.
J Infect Chemother. 2017 May;23(5):293-300.
背景:
2007年ATS/IDSAステートメントでは、肺MAC症の治療はクラリスロマイシンをベースにした多剤併用治療が推奨されており、菌陰性化から約1年継続するべきとされている。しかしながら、それを裏付けるデータはあまり多くない。われわれの目的は、クラリスロマイシンをベースにしたレジメンの国内臨床アウトカムデータを得ることである。
方法:
日本のガイドラインに準じて患者は組み入れられ、放射線学的あるいは微生物学的検査が行われた。クラリスロマイシン、リファンピシン、エタンブトールの併用レジメン(クラリスロマイシンベースレジメン)を菌陰性化まで継続し、治療は初回陰性から約1年継続された。データは投与前、菌陰性化時、治療終了時、治療終了6ヶ月時に実施された。
結果:
466人の患者のうち、肺MAC症に対してクラリスロマイシン800mg/日を処方されていたのは271人だった。これらの患者の菌陰性化率は94.7%だった。微生物学的再発率は追跡しえた100人中5人(5%)だった。再発は、菌陰性化後治療を15ヶ月未満継続された患者で観察された。薬剤による致死的あるいは重篤な合併症はなかった。
結論:
肺MAC症に対するクラリスロマイシンベースレジメンは高い菌陰性化率を誇る。陰性化の後、15ヶ月未満の治療継続だと、再発を予防するには不十分かもしれない。
by otowelt
| 2017-05-15 00:01
| 抗酸菌感染症