EAHFEレジストリ:急性心不全に対するモルヒネ静注は30日死亡率を上昇させる

e0156318_12501028.jpg 当然ながら、かなり高齢者が多いです。

Òscar Miró, et al.
Morphine use in the emergency department and outcomes of patients with acute heart failure: A propensity score-matching analysis based on the EAHFE Registry
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.03.037


目的:
 救急部で急性心不全と診断された患者において、短期的な死亡率と静注モルヒネ使用の関連性を同定すること。

方法:
 34のスペインの救急部において、2011~2014年に急性心不全と診断された連続患者を登録した。登録患者は静注モルヒネを投与された群とそうでない群に分類された。プライマリアウトカムは30日死亡率とし、セカンダリアウトカムは異なる中間時点での死亡率、院内死亡率、入院期間とした。傾向スコアにより、ベースライン背景、臨床的特性、治療因子などをマッチさせた患者を登録した。モルヒネ投与を受けた患者における30日死亡率の独立リスク因子を調べた。

結果:
 6516人の患者(平均年齢81歳、56%が女性)を登録し、416人(6.4%)がモルヒネ群、6100人(93.6%)が非モルヒネ群に分類された。全体では、635人が30日時点で死亡していた(それぞれ26.7%、6.4%)。傾向スコアマッチで、275人のペア患者がそれぞれの群に登録された。
 モルヒネを投与された患者は、30日死亡率が高かった(死亡:55人[20.0%] vs. 35人[12.7%]; ハザード比1.66; 95%信頼区間1.09-2.54; p=0.017)。これは直接的に高血糖と相関しており(p=0.013)、ベースラインのBarthel Indexおよび収縮期血圧と逆相関していた(p=0.021)。
 死亡率はどの中間時点でも上昇していたが、リスクが最高に達していたのは短期間であった(3日時点:22[8.0%] vs. 7 [2.5%] ; オッズ比3.33; 95%信頼区間1.40-7.93; p=0.014)。院内死亡率は上昇しなかった(39 [14.2%] vs. 26 [9.1%]; オッズ比1.65; 95%信頼区間0.97-2.82; p=0.083) 。また入院期期間にも差はなかった(p=0.79)。

結論:
 傾向スコアマッチすると、急性心不全に対するモルヒネ静注は30日死亡率が上昇した。


by otowelt | 2017-04-20 00:37 | 救急

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