線維性間質性肺疾患患者におけるフレイル
2017年 05月 10日
フレイル、最近よく耳にする言葉ですね。重要だとは思いますが、この新しい用語が本当に必要なのかはハテナマークです。サルコペニアもフレイルも、健康と機能障害のはざまを埋める用語として用いられますが、今までも認識されていたことをピックアウトしたに過ぎないと思うからです。臨床医に対するリマインダーとしてはとてもよい概念なのですが。
Milne KM, et al.
Frailty is common and strongly associated with dyspnoea severity in fibrotic interstitial lung disease.
Respirology. 2017 May;22(4):728-734.
背景:
フレイルは加齢によって筋力や活動が低下している状態(虚弱)を表すものであり、線維性間質性肺疾患(ILD)の患者はILDの罹患、年齢、合併症、薬剤副作用などによってフレイルに陥っているかもしれない。この研究の目的は、線維性ILD患者のフレイルの頻度を調べることである。
方法:
線維性ILD患者は、ILD専門クリニックから抽出された。膠原病などの二次性ILD患者は除外された。フレイルはフレイルインデックス合併症、症状、機能制限などの複数の欠落の有無によって評価され、これによって0.21点を超えて障害ありと判断されればフレイルと定義した。クロンバックのα係数によってフレイルインデックスの一致性を類推した。呼吸困難はCalifornia San Diego Shortness of Breath Questionnaireを用いて評価された。多変量解析によってフレイルの独立予測因子を同定した。
結果:
フレイルの定義を満たしたのは129人中50人だった。フレイルインデックスのクロンバックのα係数は0.87だった。フレイルインデックスは努力性肺活量、1秒量、DLCO、性別、年齢、GAPインデックス、生理学的インデックスと呼吸困難スコアの複合アウトカムのいずれとも関連していた。呼吸困難の重症度は、フレイルインデックスの独立予測因子であった(呼吸困難スコア10点の増加ごとにフレイルインデックス0.034点の増加、R2 = 0.37; P < 0.001)。
結論:
フレイルは線維性ILD患者では頻度が高く、呼吸困難の重症度と独立して関連していた。また、呼吸困難は肺機能よりもフレイルの重要な規定因子であった。
Milne KM, et al.
Frailty is common and strongly associated with dyspnoea severity in fibrotic interstitial lung disease.
Respirology. 2017 May;22(4):728-734.
背景:
フレイルは加齢によって筋力や活動が低下している状態(虚弱)を表すものであり、線維性間質性肺疾患(ILD)の患者はILDの罹患、年齢、合併症、薬剤副作用などによってフレイルに陥っているかもしれない。この研究の目的は、線維性ILD患者のフレイルの頻度を調べることである。
方法:
線維性ILD患者は、ILD専門クリニックから抽出された。膠原病などの二次性ILD患者は除外された。フレイルはフレイルインデックス合併症、症状、機能制限などの複数の欠落の有無によって評価され、これによって0.21点を超えて障害ありと判断されればフレイルと定義した。クロンバックのα係数によってフレイルインデックスの一致性を類推した。呼吸困難はCalifornia San Diego Shortness of Breath Questionnaireを用いて評価された。多変量解析によってフレイルの独立予測因子を同定した。
結果:
フレイルの定義を満たしたのは129人中50人だった。フレイルインデックスのクロンバックのα係数は0.87だった。フレイルインデックスは努力性肺活量、1秒量、DLCO、性別、年齢、GAPインデックス、生理学的インデックスと呼吸困難スコアの複合アウトカムのいずれとも関連していた。呼吸困難の重症度は、フレイルインデックスの独立予測因子であった(呼吸困難スコア10点の増加ごとにフレイルインデックス0.034点の増加、R2 = 0.37; P < 0.001)。
結論:
フレイルは線維性ILD患者では頻度が高く、呼吸困難の重症度と独立して関連していた。また、呼吸困難は肺機能よりもフレイルの重要な規定因子であった。
by otowelt
| 2017-05-10 00:01
| びまん性肺疾患