ALI/ARDS治療早期にエラスポール®を用いると予後が改善する

e0156318_21563989.jpg 喧々囂々と専門家が議論されている分野なので、ノーコメントです。

Kido T, et al.
Efficacy of early sivelestat administration on acute lung injury and acute respiratory distress syndrome.
Respirology. 2017 May;22(4):708-713.


背景および目的:
 好中球エラスターゼ阻害薬であるシベレスタットの急性肺傷害(ALI)・急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に対する有効性はいまだ議論の余地がある。われわれは、ALI/ARDS患者に対するシベレスタット7日間の投与によって投与群・非投与群のエンドポイントを比較した。

方法:
 この研究は日本国内で2012年に実施された研究である。シベレスタット群と非シベレスタット群の死亡率を比較した。

結果:
 4276人の患者が本研究に登録され、入院7日までの間に1997人がシベレスタットで治療され、2279人がシベレスタット治療を受けなかった。交絡因子で補正すると、3ヶ月以内の死亡率はシベレスタット群の方が有意に低かった(重みづけハザード比0.83; 95%信頼区間0.75-0.93; P < 0.002)。多変量回帰分析では若年、非癌、血液透析の必要性がない、高用量メチエルプレドニゾロンの非使用、が有意に治療成功と相関していた。

結論:
 後ろ向きおよび観察研究の結果からは、ALI/ARDS発症から7日以内にシベレスタットを投与することで予後が改善する可能性が示唆される。われわれの知る限り、これは、ALI/ARDSに対するシベレスタットの効果を評価したもっとも大規模な研究である。


by otowelt | 2017-05-11 00:40 | 集中治療

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